バスケ男子・富永啓生が圧倒的存在感 3か月ぶり実戦に「ケミストリーまだまだかなと思う」
◆バスケットボール男子 ▽強化試合 日本89―90オーストラリア(22日、札幌市・北海きたえーる) パリ五輪に向けた強化試合で、世界ランク26位の日本は、同5位のオーストラリアに89―90で惜敗した。米ネブラスカ大を卒業し、昨夏のW杯以来の代表戦に挑んだ富永啓生(23)が、15分52秒の出場で武器の3点シュート(3P)3本成功(成功率50%)の最多18得点と躍動。五輪代表12人の選考を兼ねたサバイバルの中で、圧巻プレーを連発した。両チームともNBA組は不在。23日もオーストラリアと対戦し、リベンジする。 米国で進化を遂げた富永が圧倒的存在感を放った。第1クオーター(Q)途中から出場しいきなり華麗な3Pを沈めると、次はドリブルで持ち込み、少し離れた正面から3P。6235人の歓声とどよめきが交ざり合う。日本が世界で勝つために必要な3Pで、鍵を握る富永が期待に応えた。「最初の強化試合にしてはいい動き」とうなずいた。 日の丸を背負うのは、23年W杯以来、約10か月ぶり。また実戦も、米ネブラスカ大での全米大学選手権以来、3か月ぶりだった。個人としては「試合勘」をテーマにプレーし、「100%じゃないが、コンディションはいい」と手応えを口にした。2点ビハインドの残り27・1秒では獲得したフリースローを2本決め、本場で磨かれた勝負強さも発揮した。頼もしい男が日本代表に戻ってきた。 選考も兼ねた段階で「ケミストリーまだまだかなと思う」と富永。だが、仲間との久々のプレーに「個々のスキルはみんな成長してる。コンビネーションが合ってくれば良くなってくる」とレベルアップは実感した。相手は世界5位だが、NBA選手もパリ五輪代表候補もいなかった。勝ちたかった一戦だけに「終わり方にはまだまだ改善点がある」と反省も忘れなかった。(小林 玲花)
報知新聞社