“海猿”への道 「他の命を背負って潜る」 海上保安庁「潜水士」育成訓練に密着 バディ=相棒との“絆” 全国から選ばれし保安官のみ参加 過酷な訓練に挑む若者たち
2人とも潜水士を目指すことになったきっかけは、潜水士になる若者たちを追った映画「海猿」でした。 ■数センチ先が見えない… 海での訓練は研修でも“命がけ” ■15m垂直素潜り 指導教官 「隊列を乱すな!」 研修の後半は、実際の海での訓練です。 松浦晃貴さん 「やっぱり歳なので多少は疲れはみなさんよりたまってると思います。 (Q.どのあたりが疲れてる?) 全身バキバキです」 天野栞太さん 「(Q.目はどうしたんですか?) 目はきのう素潜りでマスクブローがうまくできなくて。水圧がかかった状態で潜ってしまったので腫れてしまった。全然大丈夫です。」 ■深深度潜水訓練(水深30m以上) 海では、天候や潮の流れなど環境が安定したプールとは状況が大きく異なります。特に、深いところの潜水では、昼間でも太陽の光が届かず、わずか数センチ先が見えないことも珍しくありません。 さらに、高い水圧の影響や活動時間の制約など、研修とはいえ命がけの厳しい訓練です。 これは、1つのボンベの空気を2人で分け合う「バディー・ブリージング」。緊急時を想定した技術です。 水上の船員 「連打あり。14分02秒、アンサーする。」 松浦さんたちは索(さく)をうまく使いながら水上の船員と連絡をとり、課題を無事に終えました。 松浦晃貴さん 「潜降索(せんこうさく)が潮で揺れて、急激に深度が変わったりするので、ケガが一番怖いと感じた。」 ■「車が海中に転落」 訓練最終日・実際の海難事故を想定 指導教官 「本日0800に大学校前面海域にて車両1台が海中に転落するのを釣人が目撃し―」 訓練最終日。課題は実際の海難事故を想定した本番さながらの訓練です。研修生チーム全体で連携して、海に転落した車に見立てた箱を探しだします。 釣り人役の教官 「直進してきて落ちたかなぁ、たぶん。あっちのほうで釣りをしてたからよく見てないんですけど」 研修生 「ポンツーンの右側ということでよろしいでしょうか?」 釣り人役の教官 「ポンツーンてこれ?」 研修生 「あ、はい、こちらから…」
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