ひたちなか海浜鉄道、社長が明かす「延伸計画」の姿 乗客は何人増える?新駅から公園への移動手段は?
■2億円の収入増が見込める 吉田社長は「現時点では工事の施工認可を受けておらず、数値は出せない」としながらも、「あくまでも営業的見地として、年間200万人の国営ひたち海浜公園の来場者のうち10%が鉄道を利用すれば、約20万人。1人あたり1000円の収入があったとして2億円の収入を見込める」と話した。この10%という数字について根拠はないが、吉田社長が体感的に想定した数字とのことだった。 さらに総工費の負担については「工事の施工認可がまだなので現段階で公表できるものではない」としながらも、「あくまでもひたちなか市と当社の希望として、昨年10月からの法改正により、鉄道にも適用されることになった”社会資本整備総合交付金”の活用を想定している」とのことだった。これが適用されれば、国の補助率が50%となるため、その残額をひたちなか市と事業者、県で負担していくことになる。また、「負担割合については、今後協議を行い、決定していく。また、社会資本整備総合交付金の活用も想定している」とした。
この社会資本整備総合交付金とは、地域・都市の防災対策のほか、交通バリアフリーにも利用できる、国の補助金制度だ。鉄道は、外からも様々な人が利用する。こういった補助金や支援などを多く利用して、公共交通を支えるということはとても大事な方法である。 運行にあたっては輸送力増強用も考えており、車両も12両に増備(現有・8両、4両増備)、人材についても若干数の増員も想定しているという(現在30人、数名の要員増)。
また、新駅とひたち海浜公園の南口ゲートとが現行計画では400mほど離れており、来場者は駅から5分程度歩く必要がある。これについては「今後、公園側と協議し、直近ルートの開放なども検討していく」と語る。 さらに地域としての輸送体系の充実には「鉄道の輸送力だけでは需要に応じきれない。周辺のバス事業者との協力や連携も必須」として、「共通乗車券の設定や協調ダイヤ(連携ダイヤ)の調整は、絶対条件だと考える」。