平均的な年収の会社員世帯であれば、将来も平均的な年金を受給して働かずに暮らしていけますか?
夫婦2人の老後の最低日常生活費はどのくらい?
(公財)生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(速報版)」によると、夫婦2人の老後の最低日常生活費は、1ヶ月あたり平均23万2000円とのことです。しかし、最低日常生活費であるため、さらにゆとりある老後生活を求めるとなると、1ヶ月あたり平均37万9000円が必要になります。 受け取れる年金が国民年金だけなのか、厚生年金も受け取れるのかによっても異なりますが、平均的な年金額だけでは生活苦ではないにしても、ゆとりのある生活はできない可能性が高いでしょう。
年金を受給して働かずに暮らす方法
年金を受給して働かずに暮らすためには、早いうちから対策を検討する必要があります。年金以外にも貯金をするなどして老後資金を確保することは可能ですが、年金の受給額そのものを増やしたいなら、以下の方法を検討してみてください。 ●繰下げ受給 ●60歳以降も働く それぞれについて解説します。 ■繰下げ受給で年金額を増やす 原則として65歳から受け取れる年金を66歳以降75歳までの間に繰り下げることによって、年金額を増やせます。0.7×65歳に達した月から繰下げ申し出月の前月までの月数を乗じた増額率が適用し、生涯にわたって増額した年金の受け取りが可能です。 年金を効率良く増やす方法ですが、あくまでも65歳以降に年金を受け取るまでの生活費を貯金などでまかなえる場合に検討してください。また、繰下げ待機期間中に被保険者が死亡すれば、繰下げ損となるリスクも高いです。 ■60歳以降も再雇用や再就職などで働く 60歳で定年退職を迎えた後も再雇用で働いたり、再就職先を見つけたりして厚生年金保険料を多く払い込めば将来的に受け取れる年金額に反映されます。老厚生年金の受給額は、平均標準報酬額と被保険者月数から算出するため、加入期間が長ければ受給額を増やせるのです。 身体能力的に無理をしないことは前提となりますが、退職金に手を付けずに済みますし、繰下げ受給の増額率にも反映されるため、年金額を大きく増やすのに有効な方法といえるでしょう。