<高校野球速報>早実、清宮の2年の夏が準々決勝で終わる!
西東京大会の準々決勝、早稲田実業対八王子が22日、神宮球場で行われ、スーパー2年生、清宮幸太郎を擁する早実が、4-6の逆転負けで姿を消した。清宮は、八王子バッテリーに走者を置いた場面では警戒されて、敬遠気味の四球が2つ、1二塁打、1犠飛に終わった。 春の大会で都立高の昭和に敗れた早実は、ノーシードからのスタート。投手陣が不安視されていたが、準々決勝でその弱点をさらけだしてしまった。八王子学園八王子高は、春夏共に甲子園出場経験はないが、07年は西東京決勝進出を果たすなど、私学の“伏兵高”。安藤監督は、他中学のバスケットの顧問として全国制覇経験がある異色監督。 朝6時から神宮球場にはチケットを求める長い行列ができた。清宮フィーバーは健在で、内外野共にスタンドは満員状態だった。だが、早実打線は、八王子の2年生左腕、早乙女の変化球をコーナーに丁寧に集めるピッチングにうまくかわされ、序盤は0-0の緊迫する展開となった。5回二死一塁で、ここまで四球、二塁打の「3番・一塁」の清宮に打席が回ってきたが、八王子バッテリーは勝負をさけて敬遠四球。だが、続く1年生、4番の野村が、センターオーバーの2点タイムリー二塁打を放ち、均衡を破った。清宮はガッツポーズをして飛び跳ねながらホームに生還した。 だがその裏、早実は、あっさりと八王子に逆転を許す。無死一塁からバントの処理が乱れ、無死二、三塁となり、さらに四球を与え満塁となった。ここで早実は先発の吉村から服部にバトンタッチしたが、竹中に右中間に同点となる2点タイムリーを浴び、さらに椎原にも勝ち越しタイムリーを三遊間に打たれた。続く保條にもセンターへの犠飛を許して2点差。川越の左中間を抜けるタイムリー二塁打まで飛び出て5-2とされ、ピッチャーを服部から3番手の石井に代えて、ようやく攻撃が終わった。 勢いに乗る八王子は、6回にも、一死一、二塁から、竹中の二塁後方へのフライが二塁手のグラブに当たりながら落ちるラッキーなヒットとなって一死満塁。ここで3番の椎原が、押し出しの四球を選んで4点差にリードを広げた。 清宮の第4打席は、7回二死走者なし。早乙女が小金井リトル、シニア時代に対戦経験のある左腕は勝負してきたが、力んだのか、清宮はポーンとフライを打ち上げて、二塁後方への内野フライに終わった。 早実は、8回に1年生4番の野村からの連打で無死一、三塁。代打・渡辺のセンターへの犠飛で1点を返す。3点差のまま9回に最後の攻撃を迎え、連打で無死一、二塁のチャンスをつかむ。八王子は、ここでピッチャーを早乙女から米原にスイッチ。一死一、三塁と、本塁打で同点となる場面で、清宮に第5打席が回ってきた。八王子バッテリーは勝負を挑んできたが、ライトへの大きなフライ。角度はよく犠飛にはなったが、フェンス手前で逆風に戻された。二死一塁で野村は、三塁ゴロに倒れゲームセット。清宮は涙にくれた。 昨夏は甲子園出場を果たしてベスト4進出していた早実の甲子園の夢は断たれた。 試合後、会見に応じた清宮は「最後はつなげられなくて申し訳なかったです」と涙ぐみ、「野球人生のなかで、また同じような場面が回ってくると思う。絶対にきょうのことは忘れないようにしたい」と、今秋、来夏と、あと2回になった甲子園出場にむけてリベンジを誓っていた。