養母からのイジメ…

Instagramやライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」で、実話をもとにしたエッセイ漫画を描く漫画家のゆっぺさん。2021年に月間3000万PVを記録し「ライブドアブログ OF THE YEAR2021」最優秀グランプリを受賞。先日、2021年12月から執筆してきた「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」が完結し、コメント欄を解放した最終話には500件以上の熱い応援コメントが寄せられた。 【漫画】本編を読む この漫画は、戦前から生きる“祖母・キヨさん”の幼少期からの実体験が描かれている。孫にあたるゆっぺさんは、現在92歳の祖母・キヨさんから話を聞いて「想像ができないほど過酷な物語に感じられた」という。今回は「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」が誕生した経緯や、作品に込めた著者・ゆっぺさんの思いを紹介する。 ■人生の悲哀を感じさせない“アグレッシブ”な祖母 本作が生まれた経緯は、コロナ禍の外出自粛期家族でお茶を飲んでいるときに「日常会話のなかで私が何となく聞いたことがきっかけ」だったそう。 そのときは漫画にするつもりはなかったが、「祖母の昔話を聞いたつもりだったのですが、聞けば聞くほど深い話」に感じられたことがゆっぺさんの考えを変えていったようだ。 「最初、昔の連続テレビ小説の「おしん」(※1)と同じだったと言われて、それはどういうこと？と聞いたら、養女だけど家族ではなく、奉公人(下働き)のような扱いだったと言われたのです。とにかくつらかったと言うので、ただ血のつながらない関係というだけのお話ではなさそうだなと思いました」 ※1 口減しのために子守り奉公に出された貧しい農家に生まれた少女が、辛酸をなめながら生き抜いていく女の一代記。橋田壽賀子が原作・脚本を手掛けたオリジナル作品。 それでも、おばあちゃんは「つらい過去を微塵も感じさせない人」なので衝撃だったとゆっぺさんは語る。 「おばあちゃんは、とにかく強い人。気が強いのではなく、精神面で強い人。泣いたり、怒ったりしたところを見たことがなく、とても朗らかな人で、とても働き者。92歳になったんですけど、猛暑だった夏にも畑に出ようとして、「暑いから」と家族に止められていました(笑)」 そんなたくましいおばあちゃんは、ある日、腰にヒモを巻いて「これから木に登って、枝を剪定する」と言い出したのだそう。実は数年前、リンゴの木に登って落下して骨折したことがあったため、みんなで止めたようだ。「骨折したときは入院したんですけど、おばあちゃんは足の指でお手玉を摘んで動かしたりするリハビリに精力的に取り組んで、病院の方も驚くぐらいの回復力で完治しました」 苦しかった人生経験を微塵も感じさせないおばあちゃんだが、それだけに、漫画内で紹介されている「親に捨てられた過去」や「家庭内いじめ」といった要素に、憤りを感じずにはいられない。