県内強風、雪 国道と里山海道通行止め 白峰積雪154センチ 大雪警戒続く
9日の石川県内は強い冬型の気圧配置となり、強風を伴って断続的に雪や雨が降った。大雪が予想されることから、能登半島地震による大規模崩落で仮設道路となった国道359号や、のと里山海道徳田大津インターチェンジ(IC)―穴水IC間が通行止めとなった。被災地では、避難所となる公民館の職員が備蓄品の確認作業に追われた。 【写真】民家に積もった屋根雪を下ろす人=白山市白峰 白山市白峰では、重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)の民家で今季初めて雪下ろしが行われた。県によると、午後8時現在で154センチの積雪。金沢市中心部では強い風雪により、外国人観光客が身をすくめながら街中を歩いた。 午後7時時点の最低気温は小松が氷点下0・2度、輪島0度、金沢0・2度といずれも今季最低。最大瞬間風速はかほく24・9メートル、羽咋24・7メートル、金沢24・6メートルとなった。金沢地方気象台は沿岸部に波浪警報、全域に風雪、大雪、着雪、雷の各注意報を出した。 10日も強い冬型の気圧配置が続き、上空約5500メートルには氷点下33度以下の寒気が流れ込む見込み。 国道359号の通行止めは県境の金沢市宮野町-小矢部市五郎丸間(約9・9キロ)。のと里山海道徳田大津―穴水IC間は今季初めて予防的に通行が規制された。国土交通省能登復興事務所は、隆起海岸で整備した珠洲市の国道249号迂回(うかい)路を高波のため通行止めにした。IRいしかわ鉄道は上下線6本が運休し、4本で最大1時間の遅れが出た。約900人に影響した。 輪島市の指定避難所となっている七浦公民館では、職員がペットボトルの飲料水が160箱以上あることや衛星電話の通信状況を確かめた。 県警によると、県内では9日午前9時までの24時間でスリップ事故が22件起きた。小松空港で全日空の福岡発と折り返しの2便が欠航し、羽田と札幌各1便に1時間余りの遅れが出た。