【朝日杯FS】ディープインパクト産駒が7頭も馬券内に 2歳マイル王決定戦の「記録」を振り返る
人気薄で好走したマイネルハイル
調教師として最も好走馬を出しているのは、藤沢和雄調教師で、その数は7回(2勝、2着2回、3着3回)。次点の境勝太郎調教師の4回を大幅に上回った。藤沢調教師はバブルガムフェロー、サトノアレスで2勝を挙げるなど、このレースでの適性の高さを見せつけた。 人気薄での好走としては、14番人気から3頭出ており、これが最も人気薄となっている。1989年3着のマイネルハイル、2014年2着のアルマワイオリ、2019年3着グランレイの3頭がこれに当たる。勝ち馬としては2000年10番人気のメジロベイリーが最低人気で、唯一、二桁人気での勝利を挙げている。 マイネルハイルは、未来のダービー馬アイネスフウジンの3着。上がりは36.6とかかっているが、勝ち馬アイネスフウジンは37.4、2着馬サクラサエズリは37.9で、マイネルハイル自身は全体で2番手の上がりタイム。レース全体でみれば良い末脚を見せている。上がりに最も時間がかかっている馬券圏内の馬は、1996年のオープニングテーマ。なんと39.2というタイムを残している。 勝ち馬の馬体重として最軽量はドリームジャーニーの416キロ。2番手の軽量であるエルウェーウィンは430キロであり、それよりも14キロ軽い計算となる。最重量はサリオスの538キロ。ドリームジャーニーもサリオスも、2歳時だけでなく古馬になってからも活躍を続けた実力派である。ドリームジャーニーは凱旋門賞4着馬スルーセブンシーズをはじめ、ヴェルトライゼンデ、トゥラヴェスーラ、ミライヘノツバサなど重賞好走馬を輩出した。今年種牡馬になったサリオスは、最軽量2歳王者ドリームジャーニーに対抗できる成績を残すことができるだろうか。今後注目したい。 ライタープロフィール 緒方きしん 競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
緒方きしん