【新作韓国ドラマ】大人が泣けて、じんわり心に刺さる。30代名俳優キム・テリのドラマが話題!
30代俳優のなかでもずば抜けた演技力を持つキム・テリの新作がすでに話題に! 1950年代の女性国劇の世界を描いた『ジョンニョン:スター誕生』は今観ておいて間違いなし。 【写真】大人が泣けて、心に刺さる韓国ドラマをもっと見る
キム・テリ『ジョンニョン:スター誕生』/女性国劇の世界でトップの座を目指す
宝塚のように、女性だけで構成される歌劇団。日本特有の文化かと思いきや、戦後まもなくの韓国に存在していたという事実、知ってました? 男性中心の国楽の世界に反旗を翻した女性たちによって1948年に作られたのが始まりだそうで、女性国劇と言われるその舞台は、パンソリ(朝鮮の伝統的民俗芸能)を中核に歌、踊り、演劇で構成される総合芸術の創作劇で、1950年代には全盛期を迎えて一世を風靡。主人公の男役を演じる団員は、宝塚バリの大スター的存在で多くの女性ファンを魅了しまくっていたそうな。その女性国劇盛んな1950年代を舞台に、田舎町に生まれた少女が天性の歌声でスターの座へと駆け上っていく物語を描いたのが本作。主演の天才少女ジョンニョンに扮するのは、もはや年齢不詳のキム・テリ。 これ何歳設定?とツッコミを入れたくなるような少女も違和感ゼロで熱演しているのをはじめ、少女漫画『ガラスの仮面』然り、朝ドラ『ブギウギ』然り、4話までの視聴にも関わらずスター誕生物語のワクワクするような面白みがぎゅっと詰まっているというか。1956年、小さな港町木浦の市場で姉と一緒に貝や魚を売りながら平凡な毎日を送るジョンニョン。彼女が歌えば瞬く間に貝も魚も売り切れてしまうほど、人を魅了してやまない歌声を持つジョンニョンなんだけど、なぜか歌うことを母(ムン・ソリ)には固く禁じられているようなのです。それでも歌ってしまうのがジョンニョンで、偶然市場を通りかかった女性国劇の男役スター、オッキョン(チョン・ウンチェ)が彼女の歌声に魅せられるところからスター誕生ストーリーが展開します。 母に隠れてオッキョンの指導を得ながらオーディションに挑戦したり、この手の物語には欠かせない同期生の嫌がらせエピソードがあったり、自分を井の中の蛙と知るライバル、ヨンソ(シン・イェウン)が登場したり、研修生公演ではいちばんの難役を振り当てられたり、と早くも盛り沢山。ドラマ中にちょいちょい挿入される劇中劇も素晴らしく、3年も前からレッスンを重ねていたというキム・テリはもちろん、クールな普段の表情から、ひょうきんキャラに一瞬にして変貌するライバル役のシン・イェウンなど思わず「ひゃあ」と声まで出ちゃうほどの迫力の数々。演技も歌も所作も、さすがエンタメの韓国、底力が違うなあと改めて思わざるを得ないというか。母役のムン・ソリ、男役スターを演じるチョン・ウンチェ、国劇団団長役ラ・ミランなど脇役陣の顔ぶれも豪華だし、これはひょっとすると’24年下半期の目玉になるやもしれません。(さすらいのライター山崎)