松村防災担当相（15日午後5時過ぎ）

松村防災担当相は先ほど（15日午後5時過ぎ）、8日に発表した、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」の呼びかけを15日午後5時で終了したと発表しました。 気象庁は今月8日夜、宮崎県で震度6弱を観測した地震を受けて、初めて南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」を発表していました。 南海トラフ地震…静岡県の駿河湾から宮崎県の日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として過去に大きな被害をもたらしてきた大規模地震。 これまで100～150年の周期で大規模な地震が発生していて、過去には駿河湾から四国沖の広い領域で同時に地震が発生したり、マグニチュード8クラスの大規模地震が隣接する領域で時間差（32時間後、2年後など）をおいて発生した例もあります。 想定される震源域やその周辺でマグニチュード6.8以上の地震が観測された場合、気象庁は「南海トラフ臨時情報（調査中）」を出して「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の臨時会合を開き、調査結果に応じた臨時情報を出すことになっています。

■専門家「突然大きな南海トラフ地震来ることも」備えを呼びかけ

京都大学防災研究所・西村卓也教授

今回の地震を分析した京都大学の西村卓也教授によると、南海トラフ地震の想定震源域では目立った地殻変動は確認されませんでした。 しかし、この想定震源域では、地震を引き起こす原因となる”ひずみ”が四国や紀伊半島などで着実に蓄積しているとみられ、今回の地震で解消されたわけではなく、注意が必要だということです。 【京都大学防災研究所　西村卓也教授】「南海トラフ地震は過去に繰り返し発生してきた地震で、ひずみが蓄積している状況がわかっている地震になります。前回の（南海トラフ）地震から80年間で着実にひずみがたまり続けてきています。マグニチュード8クラスが起きるのに十分なひずみが蓄えられている状況になります。（臨時）情報なしに突然大きな南海トラフ地震が来ることも十分考えられます」 そのうえで、改めて今後も大きな地震に備えてほしいと話しています。