【Playback箱根駅伝】第61回/早大が雪の箱根を制して2年連続11回目のV 復路は20秒差で日体大がトップ
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第61回箱根駅伝総合成績をチェック
第61回(1985年/昭和60年) 山上りのスペシャリスト木下が区間新 順大は転倒に泣く
前回大会で30年ぶりに優勝した早大が11時間11分16秒で2年連続11回目の優勝。2位の順大に4分28秒差をつけた。 早大は1区の田原貴之が首位の日体大と33秒差の3位で滑り出すと、2区の遠藤司が区間2位の好走で首位に立つ。 3区で順大に抜かれて2位に後退したが、4区の高橋雅哉で先頭を奪取。5区では木下哲彦が1時間11分59秒の区間新記録で往路連覇を達成し、2位の順大に4分22秒のリードを奪った。 復路の朝、箱根山中には雪が降っていた。早大の6区・赤掘正司は山道に足を取られそうになりながら慎重に下り区間3位と力走。対する順大は羽柴卓也で2分ほど差を詰める計算だったが、途中で滑って転倒するアクシデントに遭う。羽柴は区間賞こそ獲得したが、21秒しか詰めることはできず、出鼻を挫かれるからちとなった。 「復路の順大」と名高いとはいえ、小田原中継所の時点で4分1秒の差を逆転することは容易ではない。早大は8区以降の3人が区間2位と安定した走りでトップをキープ。危なげないレース運びで連覇を果たした。 早大・鈴木重晴監督は「主将の高橋や遠藤ら4年生を軸に自分たちの手でつかんだ勝利」と部員の結束を称えた。 6区での不運が響いた順大は4分28秒差の2位。復路優勝は総合3位の日体大。往路から順位を上げることはできなかったが、9区の足立幸永、10区の丸山一徳が区間賞を獲得して、復路2位の早大を20秒上回った。 今大会は史上初めて出場全チームが11時間台でフィニッシュ。全体のレベルアップを感じさせる大会だった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部