テニスのナダルが全仏1回戦で敗退、今年が最後か 大坂は2回戦へ
テニス男子で長年活躍し、けがで長期休養していたラファエル・ナダル(37、スペイン)が27日、パリで開催中の全仏オープンの復帰戦に臨んだ。この大会14回優勝を誇るナダルだが、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(27、ドイツ)にストレート負けし、1回戦で姿を消した。ナダルにとって最後の全仏になった可能性もある。 ナダルはかつて、パリのローラン・ギャロスのクレーコートでほぼ無敵だった。グランドスラム(4大大会)の優勝回数は通算22に上り、世界ランキングも1位に上り詰めた。 しかし、けがの影響でここ1年半ほとんどプレーしていなかった。ランキングは直近で275位に低下。今年の全仏は初めてノーシードで臨んだ。 この日は以前のような高いレベルでのプレーをよみがえらせることはできず、好調なズべレフに6-3、7-6 (7-5)、6-3で敗れた。 それでもナダルは、全仏でシングルス116試合を戦って、この日を入れて4敗しかしていない。全仏でナダルを破ったのは、2009年のロビン・ソデルリング(スウェーデン)、2015年と2021年のノヴァク・ジョコヴィッチ(セルビア)と、この日のズべレフの3人のみ。 ナダルは昨年の全仏を欠場した際、2024年が自身にとってツアー最後の年になる可能性を示唆していた。 今回、これが最後の全仏になるのかは分からないとしているが、そうなる可能性は「大きい」としている。 ナダルは試合後にコート上で、「皆さんの前に立つのはこれが最後になるかは分からない。もしそうだとしたら、これまで十分楽しんできた」とスピーチした。 観客席から総立ちの拍手が送られるなか、ナダルはセンターコートをあとにした。ファンの中には涙を流す人もいた。 この試合は、ナダルの偉大なライバルのジョコヴィッチ、女子で全仏連覇を狙うイガ・シフィオンテク(ポーランド)、ウィンブルドン男子王者のカルロス・アルカラス(スペイン)の各選手が観客席で観戦。いかに重みがあるかうかがわせた。 ■大坂はフルセットで2回戦進出 女子では大坂なおみ(26)が26日の1回戦で、ルチア・ブロンツェッティ(イタリア)を6-1、4-6、7-5で下し、3年ぶりに全仏で勝利した。 元世界ランキング1位で、グランドスラム通算4回優勝の大坂は、出産でツアーを離れ、今年1月に復帰。全豪オープンでは1回戦で敗退していた。現在の世界ランキングは134位。 この日の試合では、第3セットで4-0とリードしたが、そこから世界67位のブロンツェッティに追い上げられた。 大坂は試合後、「本当にジェットコースターのようだった」、「全豪で1勝もできなかったから、ここでぜひ1勝したいと思っていた。そういう思考回路が良くなかったのは、明らかだったけど」と話した。 大坂は29日の2回戦で、第1シードのシフィオンテクと対戦する。 大坂は、妊娠中にシフィオンテクのプレーをよく見ていたと述べ、世界ランキング1位との対戦は「とても光栄だ」とした。そして、「自分が今どの位置にいるのかを確認するテストのように感じている。自分自身への期待が低いということはない」と話した。 大坂は全仏ではベスト32を突破したことがない。グランドスラムでの優勝4回はいずれもハードコートでのものだ。 この日の勝利は、大坂の進化を示している。大坂はかつて、クレーコートに苦労していたが、いまは「クレーをもっと受け入れるようになった」と話している。 一方、男子の錦織圭(34)は26日の1回戦でガブリエル・ディアロ(カナダ)にフルセットの末に勝利し、2回戦に進んだ。グランドスラムでの勝利は2021年全米オープン以来とされる。 (英語記事 Nadal loses on possible French Open farewell/Osaka avoids early exit in 'rollercoaster' match)
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