「銀座 鮨青木」出身の若き大将が手がける、気軽に行きたいコスパ最高ランチ
「銀座 鮨青木」で働いていた時より仕入れは毎朝、豊洲市場へ買い付けに行くことが日課となっている。江戸前寿司の繊細な職人技と鮮度の良い食材、そこに杉澤氏の感性が合わさり逸品の寿司が生まれる。
人気の平日限定のランチコース「花菱」(6,500円)は、握りが9貫、赤貝のひもときゅうりの巻物、小鉢2品、巻物たまご、お椀がコースの内容。握りは全部ひとまとめで提供するのではなく、1貫ずつ食べるタイミングを見て出してくれるので心地よい。
普段食べているもずくよりも繊細で口当たりが優しい。角がなくまろやかな土佐酢とも好相性である。
米酢をベースにしたすし酢に、やや硬めに炊いたご飯を合わせており、酸味や甘さのバランスがちょうど良い。
江戸前には欠かせないコハダは、塩味と酸味の塩梅を考慮しネタの状態によって変えている。
山本さん「この金額でトロも出てきて良いなと、さすがだなと思いました。」
出世エビと言われる車エビ。10cm以下の小ぶりの状態のものを才巻エビと呼ぶ。芝エビのおぼろとわさびを添えて、エビのうまみをより濃厚に楽しめる。
シャコを軽く煮汁で炊いて下味をつけた、コクが深い甘だれが印象的なひと品。そして、後半のこのくらいのタイミングでお椀が追加され、しじみの出汁がきいた味噌汁をゆっくりと味わう。
客の中には「花菱」を注文し、昼飲みしながら舌鼓を打つ人も結構いる。
山本さん「ランチの6,500円のコースは、クオリティも相当高く、銀座ではなかなかないレベルのコストパフォーマンスだと思います。 」
今回紹介したランチの「花菱」は平日のみの限定メニューなので、土日祝は注文ができないのが残念だが、内容が少しグレードアップした「若松」(9,500円)も人気がある。
また、初来店でディナーから訪れるのは、ちょっと緊張するという方は、ランチに一度足を運び、店の雰囲気を確かめてから行ってみてはどうだろうか。
鮨 杉澤
住所 : 東京都中央区銀座6-3-15 昭和イーティングビル 2F TEL : 050-5597-3629 ※価格はすべて税込。
撮影:千葉英里 文:千葉英里、食べログマガジン編集部