古代人の聖域シュリガン・タッシュ洞窟。考古学的にも貴重な存在だ
世界最大の国土面積を有するロシア連邦。その広大さゆえに多くの民族、文化が共存している。モスクワから東へ約1000km、ヨーロッパとアジアの地域を分ける境界線とも言えるウラル山脈の南部に位置する、東西の文化が融合するバシコルトスタン共和国を訪ねた。
スタロスブハングロヴォ村から約40km南西に位置するシュリガン・タッシュの洞窟。南ウラル最大のカルスト洞窟である。 洞窟の入口は巨大な岩のアーチになっており、その全長は3000mを超える。カーボンブラックの顔料と赤い黄土で描かれた古代の岩絵はほかにフランスとスペインでしか発見されておらず、考古学的にも貴重な存在になっているという。 研究は今も続いていており、洞窟内はライトアップされているわけではない。ガイドに案内されて手持ちのライトで照らしながら洞窟の入り口付近を散策する。単に洞窟というだけでなく、古代人の儀式の聖域だったという話が興味深い。 ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<バシコルトスタンの旅>倉谷清文第13回」の一部を抜粋しました。 (2018年9月撮影・文:倉谷清文)