南部流山車 華やか 神輿や鹿踊祭り彩る 花巻・石鳥谷【岩手】
2024年度南部杜氏の里・石鳥谷まつり(同実行委主催)は10日、花巻市石鳥谷町の県道中寺林犬渕線で、クライマックスとなる山車のパレードで、3日間のまつりが幕を閉じた。音頭上げの声が高らかに響き渡り、宵空に浮かび上がる華やかな南部流の山車が沿道に集まった見物客を楽しませた。 毎年9月8~10日の3日間にわたり開催する伝統行事で、今年で43回目を数えた。歌舞伎の演目などを題材にした山車の運行をはじめ、神輿(みこし)の運行、さんさ踊りや鹿踊(ししおどり)、手踊りなどが行われた。 山車は5台が運行され、今回は歌舞伎十八番の「毛抜(けぬき)」や桜の精と天下を狙う謀反人が繰り広げる争いの場面を表現した「関の扉(と)」などを題材にした山車が登場。「ヤーレ、ヤーレ、ヤーレ」の掛け声と笛や太鼓の音に合わせてゆっくりと練り歩いた。 沿道には大勢の地域住民が見物に繰り出した。家族ぐるみで毎年まつりに参加する中組の岩舘昭規さん(63)は山車の制作にも携わり、「みんなでつくる連帯感が魅力。この日のために帰省する人もいる。昔から続く伝統を代々つないでいってほしい」と、1歳半になる孫と運行を見守った。