エスカレーターは「2列乗り」の方が輸送効率が良い!日立ビルシステムが「片側空け」抑止の機能発表…LED照明を使って“立ち止まり”を促す 担当者『利用者に意識していただくきっかけになれば』
2025年の大阪・関西万博に向けた準備が進む中、エスカレーターをめぐって“新機能”が発表されました。 【写真を見る】「お急ぎの方のために左側をおあけ下さい」と書かれた掲示物...鉄道会社が『片側空け』を推奨した時代も
万博開催期間中、1日約12.6万人の利用が見込まれる会場の最寄り駅・大阪メトロ「夢洲駅」に設置されるのが、『片側空けを抑止する機能』がついたエスカレーターです。LED照明を使ってステップに立ち位置を2つ示したり、段差を強調して人が立ち止まるよう促したりする仕組みになっています。 (日立ビルシステム・広報 佐藤美香さん)「(Qなぜ開発しようとなった?)万博期間中、大勢の方が3台のエスカレーターを利用することが予想されるので、2列の利用を促す仕組みが必要でした。研究機関などにおいて2列利用の方が全体の輸送効率が上がるという報告がすでに出ているんですね。(Qこのエスカレーターで2列乗りが根付くと思いますか?)この機能自体が2列乗りを強制的に強いるというよりかは、すぐに大きな変化は起こるものではないかもしれないですが、利用者にちょっと意識していただくきっかけになればと」 そもそも、エスカレーターは立ち止まって乗るのが基本ではありますが…街の様子を見てみると、急いでいるのか歩いてのぼる人の姿もみられます。
いつから「片側空け」で歩くようになった?
1973年、国鉄大阪駅のホームにエスカレーターがお目見えした時の映像では、利用者は2列に並び乗っています。変化が訪れたのはバブルの時代。経済を優先する風潮から「急いでいるビジネスマンに邪魔にならないように」という発想が生まれ、鉄道各社が片側空けを推奨した時代があったのです。
現在では、転落事故防止などの理由から2列で立ち止まって乗ることが呼びかけられています。大阪市内で話を聞くと… 「前が立ち止まっていたら立ち止まる感じで、誰もいなかったら駆け抜けます」 「仕事前とかは歩いています。(Q立ち止まって乗るってルールはご存じですか?)知らないです」 「(前に人が)おらんかったら早く行くし。(Q立ち止まってくださいと言われたら?)それはならいます、ちゃんとそれに」 一方、立ち止まることを条例化した自治体もあります。名古屋市は、埼玉県に続き全国で2例目となる「歩行を禁止する」罰則なしの条例を今年10月から施行しました。 その1か月後の様子は…歩く人はほぼいませんが、9割以上の人が片側空けで乗っていました。 一方でこんな結果も。2列で立ち止まって乗る場合と、片側空けで歩く場合の人の流れのシミュレーションの様子。450人が移動を完了する時間を比較すると、2列で立ち止まる方が1分12秒も早く移動できるという結果になりました。 なかなか根付かない2列乗りですが、大阪万博を機に片側空けの文化が変わるのでしょうか。