原発稼働の関電、電気料金値上がりも「他電力より低水準維持」 株主総会で理解求める
関西電力の定時株主総会が26日、大阪市住之江区で開催された。火力燃料費の高騰により電気料金が高止まりしていることについて、経営陣は原子力発電所の稼働が順調なことを念頭に「規制料金を据え置き、他電力と比べて低水準を維持している」と繰り返し、株主の理解を求めた。 関電は福井県内の原発7基が昨年9月までに再稼働し、火力燃料分のコストを抑制。ただ、政府の補助金がなくなる7月の電気料金(6月使用分)は標準的な家庭で6月より468円高い7664円で、前年同月比46・4%の上昇となる。 総会では、株主の神戸市から「料金の抑制に最大限努める必要がある」と指摘があり、男性株主が「(令和6年3月期連結決算で)過去最高益になったのだから料金を安くすべきでは」と追求。小川博志執行役常務は「(値下げの是非は)経営環境などを見極めて慎重に判断する」と答えるにとどまった。 原発の稼働により、関西エリアでは電力需要に対する供給余力を示す「予備率」は今年7~9月で10・4~13・8%を確保でき、関電は昨年に続き夏の節電要請を行わない。ただ原発の貯蔵プールには使用済み核燃料がたまり続けている。 関電は中国電力と山口県上関(かみのせき)町で使用済み燃料を一時保管する中間貯蔵施設の共同開発を決めており、総会では稲田浩二副社長が「地元の理解が何より重要。地元同意なく立地を進めることはない」と説明した。 1月の能登半島地震では北陸電力の志賀原発(石川県志賀町)が被害を受けた。総会では福井県にある原発の安全対策や住民避難ルートについて質問が相次ぎ、水田仁副社長が「能登半島地震での知見を今後の対策に生かしたい」と答えた。(牛島要平)