「選挙は買い」が通用しない…株式市場“石破ショック”継続の衝撃【シニアのためのマネー講座】
【シニアのためのマネー講座】#117 またブレた。「解散しない」と言ったのに……。しかも首相になる前に解散宣言。「公認する」と言ったのに……安倍派を中心に非公認。「選挙に政策活動費は使わない」と言ったのに……どうやらお金に色はついていないので、使うらしい。 金利上昇局面なのに…銀行株はなぜ活気づかない? 「人が変わったみたい」 そう非難される石破茂首相。まるで誰かに操られているように、発言が手のひら返しのオンパレード。巷では「キシバ政権」と揶揄されるほど。裏で岸田、菅、森山の3氏が牛耳っているともいわれている。まるで腹話術の人形のよう。口をパクパクさせている。いっこく堂もビックリだ。 株価は「石破ショック」から立ち直ったように見えた。しかし、そう簡単に株価は上がらない。「選挙は買い」というアノマリーも通用せず、値動きは総じて鈍い。市場は何を恐れているのか。 ■一部で「岸田再登板」も 一部の世論調査では、石破政権の支持率は20%台に低下したという。これは政権末期の数値ではない。新婚ホヤホヤのハネムーン期間である。 そして市場では早くも「石破は捨て石」との声が上がっている。総選挙で自民が負ければ、「次が用意されている」というのだ。もしかして決選投票で負けた高市氏? そんな甘い話ではない。あくまでも一部の観測だが、「岸田の再登板」もあるという。 「もう一回、えっ、もう一回、岸田?」 ミスチルの「HANABI」じゃないけど、そう聞き直してしまう。 確かに石破氏は、総裁選の直前に「岸田政権を引き継ぐ」と発言。何となくそんなような布石を打っていった。 一回でもいいから首相をやってみたい石破氏、すぐに再登板できるのなら、辞めてもいい岸田氏。両者の思惑が一致した瞬間だ。現実となれば、見事なワンポイントリリーフとなる。 「政治の一寸先は闇」 同時に株価も一寸先は闇となってしまった。市場は「不透明感」をことごとく嫌う。そして株高に有効な「財政出動派」の登板がないことも、悲観的に思う。 シニアならば、これから起こる「まさか!」を予感していることだろう。果たして経験値は生きるのか。 数年後、「まさか石破首相が長期政権! しかも株価は10万円!」。 そんな「大ブレ」ならば、チョー大歓迎なのだが……。 (黒岩泰/株式アナリスト)