茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県人事委員会(足立勇人委員長)は8日、県職員の給与を月額平均で9869円、ボーナス(期末、勤勉手当)を0.10カ月分それぞれ引き上げるよう、大井川和彦知事と半村登県議会議長に勧告した。給与、ボーナスともに引き上げを求めるのは3年連続。勧告通りの月給引き上げとなれば、1991年の1万1616円以来33年ぶりの高水準となる。 同委員会によると、勧告後の行政職(平均42.3歳)の平均給与は月額2.62%増の38万5907円。4.60カ月分となるボーナスを含む年間給与は647万4000円で、20万5000(3.27%)増える。人材確保のため若年層に重点を置き、初任給は高卒程度が2万3600円増、大卒程度が2万3200円増。 引き上げ勧告の対象は、知事部局をはじめとした行政職や教員、警察官などで、会計年度任用職員を除いた3万5千人(4月1日現在)。勧告を踏まえ、県などが給与改定を検討する。県人事課によると、勧告通り給与やボーナスが引き上げられれば、人件費は約87億円上昇するという。 このほか、給与制度の更新として、管理職員の能力や実績、職責を給与により反映できるよう、給与表の分類見直しも求めた。勧告は従業員50人以上の企業252社の給与を調査、比較して算出した。 大井川知事は「財政状況や他県の動向を勘案し検討する。能力や実績の反映や柔軟な働き方への対応にも取り組む」と談話を発表した。県職員組合などでつくる県地方公務員労働組合共闘会議は「高水準のベースアップで交渉の到達点」としつつも「感染症対策や災害などの対応を踏まえれば、到底納得できるものではない」との声明を出した。