ありそうでなかった「ソーラートラック」が欧州で型式認証!! これは日本にも導入して欲しい!
「EVIG」はどんなトラック?
クリーンモーションのホームページなどによるとEVIGのスペックは次の通りだ。 ・最高速度 : 60km/h(三輪モーターサイクル・モペッド登録) ・キャビン : 1人乗り ・全長/全幅/全高 : 3140mm/1400mm/1700mm ・荷室容量 : 2.5 立方メートル ・車両重量 : 250 kg ・車両総重量 : 700 kg ・最大積載量 : 350 kg ・ソーラーパネル出力 : 570W ・モーター出力 : 9.7 kW (最高速度45km/hの場合4kW) ・バッテリー容量 : 5kWh/10kWh ・航続距離 : 100/200km (5kWh/10kWhバッテリー) ・電費 : 0~4kWh/100km 軽量化によるエネルギー効率の向上とソーラーパネルによる電費・ランニングコストの低減、モジュラー設計によるコスト削減、商用車に欠かせなくなっているコネクテッド機能の搭載などを特徴としている。 350kgの最大積載量は日本の「軽トラ」と同じだ。積載量に対する車両重量は小型EVトラック市場で最も軽いといい、これにより優れたエネルギー効率を実現する。 一般に、EVが重くなるのは電池の重量が嵩むためで、バッテリーEVは大量のバッテリーを運ぶためにエネルギーを消費している。EVIGではバッテリー容量を小さくする代わりにルーフにソーラーパネルを搭載し軽量化した。また軽量シャシーと、タイヤを減らして3輪としたことも軽量化に貢献している。 ソーラーパネルの発電分だけで走行するなら、当然ながら電力の消費による費用はかからないが、エネルギー効率の指標として100km当たり4kWhという「電費」を謳っている。これは通常のEVの5分の1だという。 晴れていればソーラーパネルの電力だけで小型商用車に求められる多くの仕事をこなせるといい、バッテリーは曇天時の予備やレンジエクステンダーのような役割を担っているようだ。 (同じスウェーデンのスカニアが、トレーラの屋根と側面にソーラーパネルを搭載し、ハイブリッドトラックのレンジエクステンダーとして用いる実証実験を行なったことがあるが、発想としては真逆である) 充電がほとんどいらなくなることで、電気料金、充電インフラ、メンテナンスにかかるコストが大幅に下がり、1年間に2万kmを走行するという想定では、ランニングコストを通常のEVの12分の1まで減らせる。車両価格も従来の3分の1で15,600ユーロ(約266万円)から。 内燃機関車に比べて部品点数が少ないとされるEVだが、EVIGではモジュラー設計と多目的コンポーネントにより部品数を更に減らし、低コスト化した。シャシーはプラスチックと亜鉛メッキ鋼でできているそうだ。 クリーンモーションでは郵便・宅配便、インフラ管理とメンテナンス、パレット輸送(欧州では「ユーロパレット」が標準化されている)、温度管理車による宅食などの用途を想定している。 日本では「2024年問題」などを背景に都市部のラストマイル輸送も危機的な状況にある。コストを抑えた実用的なソーラートラックは、我が国でも歓迎されるかもしれない。