「すごい」と言うだけはNG! 子どもの自己肯定感を育む“3つの声かけ”
自己肯定感を育む声かけ3選
子どもの”語彙力”、意識したことはありますか? 日常の会話はもとより、「国語」「算数」「理科」「社会」……すべての勉強の土台となる“語彙力”。最近は中学入試でも記述式の問題が増える傾向にあり、ますます注目されています。 【頭のいい子の育て方】全国トップレベルの子どもの親が「絶対にやらないこと」 日本語研究の第一人者、齋藤 孝先生による書籍『親子で楽しく考える力が身につく! 子どもの語彙力の育て方』は、日々の会話の中で簡単にトライできる「語彙力アップゲーム」や「声かけ」を、漫画やイラストを交えながらわかりやすくまとめた一冊。 今回はその中から、親子のコミュニケーションにも役立つ、「自己肯定感を育むための声かけ」をご紹介します!
1.「そうそう、この文章のここのたとえがすごくいいよ!」
子どもをほめる時にお勧めしたいのは「That is it!」方式。直訳すると「これがそれ」、要は「それがいいんだよ!」という意味です。 作文にしても問題集にしても、すべてがよくできることはそうそうありません。親は、つい「できていないこと」に目を向けてしまいがちなのですが、そうではなく、子どもがやったことの中から「できているもの」を抽出するのです。 「それだよ、それそれ!」という感じで、「○○がすごくいいよ!」とピンポイントで具体的にほめてあげてください。作文なら、いい一文を挙げてほめる。問題集なら、正解した問題をほめる。 他の子と比べてほめるのではなく、その子の中のベストをほめるのです。子どもの中に「いいよ!」「いいね!」が積み重なると、自己肯定感が上がります。 そして、「ここがいい」「これができるのはすごい」とほめられると、何がよくて何がよくないかの“基準”がわかります。基準がわかるとベースの力が上がり、自然と上達するのです。
2.「音読センスがあるね!」
前項ではピンポイントでほめることをお勧めしましたが、いつもそう言えるわけではありません。子どもには得意不得意がありますし、親から見てどこをどうほめていいかわからないこともあるでしょう。 例えば、子どもが音読で読み間違えたりつまずいたりしてしまったとしたら、「上手だね」とほめることは難しいですよね。そんな時には「間違えちゃったけど、音読センスはあるね!」と言います。センス、感覚がいいとほめられると、悪い気分はしません。ぼんやりとした感じで自己肯定感は上がります。 「センス」のほかに、「素質があるね」「ポテンシャルがあるよ」と言うのもいいでしょう。上手・下手、100点・0点とは違う評価軸、つまり感覚的な評価軸も持っておくといいのです。曖昧(あいまい)なほめ方ではありますが、何となくうれしくなり、何となく勇気がわいてくるのです。 どう勇気づけてあげたらいいかわからず、口をつぐんでしまうような時は、センス、感覚、素質をほめてあげてください。