中国の財政出動、不動産直接支援ならアジア勢に恩恵-野村が分析
(ブルームバーグ): 野村ホールディングスは、中国から他のアジア経済への波及効果がここ数年弱まっており、アジア勢の対中輸出が回復するかどうかは、中国政府が財政刺激策をどのように展開するかが鍵を握ると分析している。
11日に発表されたリポートによると、アジア太平洋各国・地域の対中輸出は中国政府によるインフラ投資への感応度が最も低く、不動産建設や小売り消費からはるかに大きな刺激を受けることが野村の調査で分かった。
投資家やアナリストは、中国政府が12日の記者会見で、最大2兆元(約42兆円)規模の新たな財政刺激策を打ち出すのではないかと期待。
中国はすでに先月下旬に金利引き下げや不動産・株式市場への支援強化策を矢継ぎ早に発表しているが、投資家は財政出動を強く求めている。財政支援が景気の持ち直しを左右すると考えているためだ。
野村のエコノミストは、「もし中国政府がインフラプロジェクト(鉄道や送電網など)の建設を加速すると発表すれば、アジアはそれほど恩恵を受けないだろう。だが、不動産(販売済みだが建設が遅れている住宅プロジェクトへの直接的な資金援助)に対する財政刺激策が示され、これが不動産投資を押し上げるのであれば、アジアの輸出回復を広げ、商品価格を押し上げる可能性がある」と指摘している。
原題:China Economic Spillovers to Asia Hinge on Property, Nomura Says (抜粋)
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Swati Pandey