路線価 投資家注目で9年連続で上昇率プラス 黒崎の地価高騰
テレQ(TVQ九州放送)
道路に面した土地の価格、「路線価」が発表されました。今年1月1日時点で国税庁が算定する1平方メートル当たりの評価額で、相続税などの算定基準になります。福岡県全体の平均は5.8%の上昇と全国で最も高い伸び率で、9年連続でプラスになっています。不動産鑑定士の浅川博範さんは、福岡の交通アクセスの良さを上げ、それによって「全国や世界中から不動産投資が集まっていることが大きな要因」と分析します。福岡の路線価を引き上げている要因の1つが。 リポート 山崎香奈アナウンサー 「天神ビッグバンなどによるオフィスの大量供給を控え、福岡市中心のオフィス賃貸市場に先行き不透明感が増しています。ただ、オフィスに対する需要は依然として高く、オフィス一等地の地価は上昇率が拡大しました」 天神のオフィス需要。県内で最も高かったのは、福岡市中央区天神2丁目の渡辺通りで、1平方メートル当たり944万円と去年より4.4%上昇。44年連続のトップとなりました。 そうした中、県内で今回目立ったのが、北九州市の副都心・黒崎の路線価の上昇率です。調査地点のふれあい通りは1平方メートル当たり21万円で前の年に比べ10.5%、上昇しました。 リポート 岳田秀昭記者 「以前は商業施設があり買い物客の多い通りでしたが、次第にマンション地区へと変わりつつあります」 この通りにはかつて井筒屋の旧黒崎店がありましたが・・・4年前に第一交通産業が、19階建てのマンションを建設。完成前に完売するほどの人気でした。その第一交通産業が、また黒崎地区でのマンション建設を進めています。 第一交通産業マンション事業部 香田輝さん 「グランドパレス黒崎マークスタワーは地上20階、全 139戸のタワーレジデンスになります」 平均販売価格3600万円のタワーマンション。2LDKから4LDKのファミリー向けの間取りで、JR黒崎駅から歩いて6分という立地の良さもあり、2年後の完成予定ですが販売は好調ということです。 「八幡西区の方はもちろんですけれども、周辺の市や郡、中間市、直方市、遠賀郡など周辺の方も購入している」 JR黒崎駅は、1日1万3000人が利用する駅で、小倉までは20分、博多まで特急を使えば40分で移動が可能です。またマンションが建っている地区の生活圏には、総合病院があるほか車を使えば、イオンモール八幡東をはじめ大型商業施設もあり住環境の良さが人気の理由です。時代の移り変わりで、マンション用地に適した広めの土地が市場に出てくるようになり、マンション開発を後押ししているといいます。 不動産のデパートひろた 柳谷勉常務兼営業本部長 「社宅用地なんかの払い下げ、こういったところがマンション用地としては非常に最適な物件だったので、土地の高騰に、ちょっと影響している」 以前、シャッター通りと言われた黒崎の商店街には、飲食店が増え、夜を中心ににぎわいを取り戻しつつあります。個人の店の所有者が高齢になって、店舗や土地を売却したり、賃貸に出したりという変化が出てきたといいます。 江本不動産鑑定事務所 江本庸時鑑定士 「例えば後継ぎがいないとかで売ったりすることも流れとしてはある」 店舗形態がマッチしなければ、当然閉店とかしてて、次に貸したりすることもあると思うんですけども価値が上がりつつある黒崎の不動産。マンションをきっかけに人の流れができ、今回の路線価上昇につながったといえそうです。ただ今後は。 「今と同じようなペースでずっと上がるということではなくて、これ以上は高く売れないっていうところが来ると思います。その辺のところはちょっと注視していかなければいけないと思っています」
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