亀田問題 今週中にも最終局面
では、秋山理事長の言う“ルールを守れない”とは、いったい何を差したものか。 12月3日に行われたWBA、IBF世界Sフライ級タイトル戦において、WBA王者のリボリオ・ソリスが計量に失敗。WBA王座は剥奪されたが、試合は行われることになり前日のルールミーティング後に、IBFの立会人であるリンゼイ・タッカー氏が、「亀田大毅選手が敗れた場合IBF王座は空位」と発表した。だが、判定で亀田が敗れると、タッカー氏は前言を撤回。「敗れても防衛。ルールではそうなっている。それに従う」と発表して大混乱を招いた。 その後、亀田陣営は「前日のルールミーティングで、そのことが書かれている文書が配布され、口頭で確認していた」と発言。亀田陣営からは、そのことを知らなかったJBCの管理責任を問う声も上がっていた。これに対してJBCは、「前日には負けたら空位という見解が発表されていた」と真っ向対決。「負けても防衛」の見解を前日に知っていたのか、知らなかったのかが、大きな争点となっていた。 ■問題視すべきは報告しなかったこと 秋山理事長は、「知っていた、知らなかったの話を詰めていく気はない」と言う。 「彼らが事前に『負けても防衛』ということを知っていたとしましょう。では、なぜ、その後、タッカー氏が『負けたら空位』と語り、すべての報道機関が『負けたら空位』と伝えているのに、負けても防衛だということをファン並びにJBCに対して報告をしなかったのかということなんです」 JBCは、「知っていたのに知らせなかった」という道義的な責任について“ルールが守れない”と判断したようである。それは、プロモーターの責任問題でもあるため、JBCは、昨年の12月25日に、これまで聴聞に出てくることを渋っていた亀田プロモーション代表の亀田興毅からも弁護士同伴で事情を聞いている(ただし、亀田興毅は現役の選手であるため、プロモーターライセンスは持っていない)。