視聴者真っ青……“敵に回したら終わる”相手の驚愕の表情は何を物語る?|NHK『光る君へ』第19回
右大臣となった道長は、前評判を覆すような働きを見せる。順調のように見えるが、伊周という対立している相手もおり、順風満帆とはいかない。 【画像】敵に回しちゃいけない大物、渾身の顔芸(全30枚) そしてまひろは、一条天皇と面会する機会を得る。 共には歩いていないが、常に道長とまひろの道は交錯し続ける。
右大臣としての道長は?
右大臣となった道長(柄本佑)だが、実は関白に、という一条天皇(塩野瑛久)の申し出を断っていた。関白になると自由に動けない、存分に働きたい。 道隆(井浦新)らとは「異なる道を歩みとうございます」と言い、一条天皇を微笑ませる。民のために働くことを第一とする道長は、一条天皇とも今のところは気が合いそうだ。 そして伊周(三浦翔平)とも軽やかに渡り合う。 自分の信念もあるだろうが、道隆が反面教師となっているところもあるかもしれない。除目(大臣以外の諸官職を任じること)においても同じだ。詮子(吉田羊)に「この人のこと入れておいて」と言われても「知らない人間は入れられない」と断る。あくまで、さまざまなバランスを見て決めたい、というところだろう。 すっかり威厳が備わった道長が、詮子の前では弟の顔に戻るところがいい。詮子もおちゃめな部分をのぞかせる。しかし、気づけば、兄ふたりがいなくなり、詮子と道長だけになった。初回のころを思い出すと少し切ない。
F4もそれぞれの思いが……
道長が右大臣になっても、公任(町田啓太)、斉信(金田哲)、行成(渡辺大知)は集まって酒を飲み交わしていることにホッとする。 仲間のひとりが出世して、3人にとってもチャンスではあるが……。 公任は父が関白であったときは、いずれ自分も、と野心を持っていたが、陣の定めの様子を見て「道長と張り合う気にはなれない」と言う。漢詩や和歌や管弦、読書を楽しみながら生きていきたい、そう語る。年を重ねると、自然と自分が向かいたい方向というのが見えてくるのかもしれない。 一方で、適切な除目を行うためには各々が抱えている事情を知ったほうがいい、とアドバイスもする。それに役に立つのは行成だとも。行成は字がうまい、女子たちは行成の字を欲しがる。だから女性たちと密なやりとりをしている。そこから知ることができるものもあるというと、行成は喜んで協力を約束する。 そして、出世欲が強い斉信は「俺もそろそろ参議にしてほしい」と率直な気持ちを伝えるが、「あーすまぬ。今回はない」と道長はきっぱり。自身の事情を伝え、「斉信のことはその先に考えるゆえ、この度は許してくれ」とも言う。本来なら、その場しのぎの言葉のようにも聞こえるが、4人の間では肚を割って話している、という共通認識があるのだろう。斉信もそれ以上は詰め寄らない。 だましだまされ、といったことが当たり前のようにも思えるが、こんな友情や信頼関係もある、と思うと救われる思いだ。