米国債強気トレード復活、年内2回の利下げ想定-インフレ圧力後退
(ブルームバーグ): 米国債市場では相場上昇を見越した取引にトレーダーがこぞって動いている。インフレ統計と米連邦公開市場委員会(FOMC)決定が先週発表される前に敬遠されていた強気なトレードが、再び台頭している。
米国債値上がりで利益が得られる先物取引の需要がこの1週間に回復した。物価上昇圧力の後退や軟調な小売売上高を示す経済指標が意識された。利下げ観測を強める統計結果となり、年内の0.25ポイント利下げについて市場は2回を織り込みつつある。これに対し米当局者の予想は1回だ。
FRB高官発言よりも経済統計が重要-米債券投資家への新たな教訓
こうした取引は現物市場でも勢いを増している。JPモルガン・チェースの米国債顧客調査では、ネットロングが約1カ月ぶりの大きさとなった。
先週の消費者物価指数(CPI)発表とFOMC決定という珍しいダブルリスクのイベント直前に、相場上昇への賭けをあきらめかけたトレーダーにとって、こうした変化は良いタイミングだ。先週終盤までに新たなロングポジションが相場を押し上げ、14日の10年債利回りは4月1日以来となる4.20%割れとなった。
18日の米国債相場は上昇。米小売売上高の発表を受け、金利が今後低下するとの観測が強まった。
建玉(未決済約定)は大きく増加。スワップ市場で年内約2回の0.25ポイント利下げが再び織り込まれる中、建玉のパターンもショートカバーに沿っている。
米商品先物取引委員会(CFTC)のデータも同様の傾向を裏付けた。担保付翌日物調達金利(SOFR)に連動する先物について、資産運用会社は12日のCPI発表直前まで、ショートポジションを積極的に巻き戻した。運用会社は2023年7月以来のネットロングに転じた。
原題:Traders Bet on a Treasury Rally With Two 2024 Fed Cuts Priced In(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Edward Bolingbroke