デキる営業マンは知っている!商談で勝つのは「型」と「個性」どちらを優先する人材か
改善点が具体的になった
なぜ商談の「型」が重要なのか。Iさん曰く、型があることで商談の「質」をスピーディーかつ効率的に向上させることができ、結果的に営業マン個人としても組織としても、成果の創出に役立つと言う。実際に営業マン時代には、Iさん自身の経験としても、Iさんが所属する組織としても、商談の「型」を導入したことで、受注率の変化は明確だったと言う。 「型」といういわばベースがあることで、営業マン個人が行う商談の振り返りの精度が上がり、自身の課題や問題点を把握しやすくなったり、先輩や同僚からのフィードバックに具体性が生まれたりといった効果があったそうだ。結果的に商談の改善がしやすくなり、組織内での共通言語が生まれ、ノウハウや知見が貯めやすくなる、受注率の改善につながるといった効果があったと言う。 例えば、Iさん自身が営業マン時代に先輩から受けたフィードバックにおいても「型」を導入する前は「よい雰囲気で商談を進められなかった」「営業マンがしゃべりすぎたのでは」といった抽象的で場当たり的なフィードバックが多かったのに比べ、導入後には「商談の開始時に商談の目的について、顧客と合意が取れていなかったのでは」「顧客の課題に対しては、こちらの提案の方がよかったかも」など改善すべきポイントが具体的になるといった変化があったそうだ。 また、一定の流れに沿って振り返りができるので、ヌケモレがなくなるのもメリットだ。ヌケモレがなくなることで当初想定していたボトルネックとは別のステップにおいて課題があった、という発見も容易になったそうだ。実際にIさんが同席した商談においても、営業マンはクロージングに課題があると思っていたものの、実は商談の開始時に「商談の目的を伝え、合意を取る」ことが不十分だったために提案がうまくいっていないケースがあったと言う。 具体的には、顧客はカジュアルに話を聞きたかっただけにも関わらず、営業マンが詳細な商品説明をしてしまう、逆に顧客がより具体的な情報を求めているのに、営業マンが抽象的な話に終始をしてしまうなど温度感のすり合わせができていないケースだ。双方の認識に齟齬が生まれれば、どのような提案もクロージングもムダに終わってしまうし、営業マンと顧客双方にとって不幸な時間になってしまうだろう。