クオンツファンドのカタリスト、米10年債を空売り-金利据え置き想定
(ブルームバーグ): トップクラスの運用成績を誇るクオンツファンドが、期間5-10年の米国債をショートにしている。インフレ率が高止まりする中で、米政策金利は年内いっぱい据え置かれると想定している。
カタリスト/ミルバーン・ヘッジ・ストラテジー・ファンドは、米国債先物を売る一方、米財務省短期証券(TB)を買っている。このポジションは、市場が米金融当局の利下げ確率を過大評価する一方で米財政赤字拡大が期間長めの債券利回りに与える圧力を見落としているとの見方を反映している。
カタリスト・ファンズのデービッド・ミラー最高投資責任者(CIO)は、「どちらかと言えば、米金融当局は先に言及した利下げに踏み切れない可能性が高い」とし、「インフレ率を再び押し上げずに利下げできる方法は明らかでない」と指摘した。
ブルームバーグの集計データによると、運用資産70億ドル(約1兆1000億円)強の同ファンドは今年これまでのリターンが約14%で、競合ファンドの94%を上回る成績だ。5年間のパフォーマンスは上位1割に入る。
ミラー氏によれば、カタリストのファンドはTBを購入。短期の債券について提供されている利回りをうまく活用しているという。
また同氏は、米政府の借り入れ計画も債券相場の下押し圧力だと指摘した。米議会予算局(CBO)が2月に公表した推計によると、財政赤字は2034年度に2兆5600億ドルと、24年度の1兆5800億ドルから大きく膨らむ見通し。
ミラー氏は「それが長期的に金利を押し上げることになる」と論じた。
原題:Catalyst Quant Fund Shorts Treasuries as Key Macro Bet (Correct)(抜粋)
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Ruth Carson