ホッケー女子U15日本代表に選出 大阪の14歳「実力試したい」
18~26日にオーストラリアに遠征するホッケー女子(15歳以下)日本代表18人のメンバーに、奈良ホッケースポーツ少年団(奈良市)に所属する大阪市在住の渡木(わたき)葵奈(きな)選手(14)が選ばれた。同スポ少からは2年連続の選出。渡木選手は「実力がどこまで通用するか試したい」と意気込む。 遠征期間中、3カ国の計10チームが集う「2024ユースインターナショナルグリフォンカップ」に出場する。 大阪市立夕陽丘中学校3年生。いとこが同スポ少に通っていた縁で、小学1年から始めると瞬く間に競技にはまり込んだ。高学年になって頭角を現すと、今年3月には日本ホッケー協会が育成支援するプログラム「エリートアカデミー」の選手に選ばれた。攻守の切り替えやスピードのあるドリブルが特徴のMFで「自分のパスでゴールにつながる瞬間が楽しい」と魅力を語る。 奈良市や大和郡山市で週3回行われる練習には、父博之さん(43)と母寿甫(ひさほ)さん(46)が片道約1時間かけて送迎する。 ホッケーを生活の中心に位置づけ、学業と両立させながらストイックな毎日を過ごす。夕陽丘中で陸上部に所属するのは、ホッケーに必要な走力とスタミナを強化するのが理由。学業は自分で目標を立てて計画的にこなし、博之さんは「親が言わなくてもきちんとやるので、応援しようという気持ちになる」と話す。 渡木選手は「しんどい時もあるけれど、やめたいと思ったことは一度もない。ホッケーだけに打ち込める時間がとにかく楽しい」とひたむきだ。そこまでホッケーが好きになれたのは中尾久代コーチ(55)の熱心な指導の影響で、厚い信頼を寄せる。 遠征する選手を決める9月の選考会(宮城)は全国から68人が集い「上手な人ばかりで受からないと思っていた」。そのため、吉報が届いた瞬間は涙があふれた。中尾コーチは「他国のチームの練習スタイルを学びつつ、海外の友達もつくってほしい」と国際大会での成長に期待する。 初の海外遠征は両親と離れる不安もあるが、楽しみでもある。「海外選手には体格で負けるので、スピードやテクニックで勝負したい」と本番をイメージ。そして「英語でコミュニケーションが取れればうれしい」と額に汗を光らせて笑った。【山口起儀】