日立とジョンソンCが空調合弁を売却検討、5000億円規模-関係者
(ブルームバーグ): 日立製作所は米ジョンソンコントロールズインターナショナルとの合弁会社で空調事業を手掛けるジョンソンコントロールズ日立空調の4割の持ち分について売却する方針を固めた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
ジョンソンコントロールズは数カ月前から合弁を含む暖房や換気関連事業の売却を模索していることから、ジョンソンコントロールズ日立空調の全株売却につながる可能性が高い。関係者の1人によると、同合弁の企業価値は5000億円規模に上る可能性がある。検討は初期段階にあるが、独ロバート・ボッシュ、米レノックス・インターナショナル、韓国サムスン電子などが売却先候補として挙がっているという。
日立の永吉瑶一郎氏は「企業価値向上に向けてさまざまな検討を行っているが、現時点で決定した事実はない」とコメントした。
日立はリーマンショック後の経営不振を機に事業再編を進め、日立金属(現プロテリアル)や日立化成(現レゾナック・ホールディングス)など多くの子会社を売却してきた。鉄道システムなどのインフラ事業やデジタル化支援事業に経営資源を集中する戦略が奏功し、足元の株価は2009年に比べ約10倍の水準だ。今回のジョンソンコントロールズ日立空調の売却検討はこうした取り組みの一環と見られる。
ただ関係者によると、日立は同合弁の株式を売却した後も空調ビジネスからは撤退せず、業務用を中心に事業を続ける見通しだ。
ジョンソンコントロールズ日立空調は15年に設立された。ジョンソンコントロールズが60%、日立子会社の日立グローバルライフソリューションズが40%出資する。
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--取材協力:稲島剛史.
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Manuel Baigorri, Eyk Henning, Kiel Porter