トランプ前大統領の元側近バノン被告、刑務所への出頭命じられる
米ワシントンの連邦地裁は6日、ドナルド・トランプ前米大統領の首席戦略官だったスティーヴ・バノン被告(70)に刑務所への出頭を命じた。 2021年1月6日の米連邦議会襲撃事件を調べる下院特別委員会の召喚状に従わなかったとして、バノン被告は議会侮辱罪で禁錮4カ月の有罪判決を言い渡されている。被告は無罪を主張し控訴したが、連邦高裁が5月の時点で「既存の法律を真っ向から否定するもの」として、訴えを退けていた。 被告は、右翼系ポッドキャストの司会者としても知られる。 ワシントンの連邦地裁はバノン被告に、禁錮4カ月の刑に服するため、7月1日までに刑務所に出頭するよう命じた。 この日の命令を受けてバノン被告は地裁前で記者団に対し、「必要ならば最高裁まで行く」と主張。「私を黙らせることができる監獄や刑務所など、どこにもない」と力説した。 自分が起訴され有罪となっているのは「MAGA運動を封じるためだ」とも、バノン被告は述べた。「MAGA」とは、トランプ前大統領が先頭に立つ「アメリカを再び偉大にしよう(Make America Great Again)」運動のこと。 バノン被告は、自分が下院調査委で証言しなかったのは、弁護団の助言に従ってのことで、犯罪を犯す意図はなかったとしている。 担当弁護士のデイヴィッド・シェーン氏も、被告が訴追されたのは政治的動機によるもので、もし被告が下院特別委で証言していたなら、トランプ前大統領が主張した大統領特権を侵害する羽目になっていたと主張した。 トランプ前大統領は在任中の大統領としての行動には免責特権が適用され、刑事責任を免れるほか、証言義務からも免責されると主張している。 バノン被告と同様に議会侮辱罪で有罪となったトランプ前政権の大統領補佐官ピーター・ナヴァロ被告は既に連邦刑務所で服役している。 (英語記事 Ex-Trump strategist Bannon ordered to prison)
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