刺しゅうで紡ぐ自然への思い 清川あさみ展 鹿児島・霧島アートの森で開催中
自然や神話をモチーフに表現するアーティスト、清川あさみさんの展覧会が鹿児島・湧水町の霧島アートの森で始まり、連日多くの人たちで賑わっています。ＫＴＳライブニュースではその作品の魅力に迫ります。
アーティスト、清川あさみさん。１９７９年、兵庫・淡路島生まれ。文化服装学院在学中にモデルとして活躍後、本格的にアーティスト活動を始めました。
彼女の作品は緻密な「刺しゅう」が特徴です。写真に糸を縫い付けて目には見えない、奥底にある世界を表現してきました。 縫い続けて、２０年。６月には能登半島地震の被災者に向けたチャリティー作品も話題になりました。 海や光。「刺しゅう」で描かれた自然は、見る者の“ココロ”を揺さぶります。 その彼女の紡ぐ世界が、霧島アートの森にやってきました。
圧倒的な迫力で、目に飛び込んでくる作品「ホワイトウオール」。清川さんの原点です。一度切った布を再びつなぎ合わせて作り上げました。 “生まれては消える”自然の循環を表現しました。 アーティスト・清川あさみさん 「すごく分厚いので何回かミシンを壊してしまったんですが何者でもない頃だと自分で思ってるんですけど、その時に一気に作りたくなって無心でミシンを振っていました」 当初はミシンを使って制作していましたが、次第に手縫いに変わり、彼女の世界観は、より繊細になっていきます。
その代表作が、企画展のタイトルにもある神話のシリーズです。現代社会の固定概念が生まれる前の、まっさらな世界がテーマです。 美川アナウンサー 「真ん中に人がいますけれどもその周りは白鳥というか羽根ですよね？」 清川さん 「世界中の神話をミックスして再構築したのが神話の世界です。ここで自分の物語を作って、新しい神話をその人の中でまた最高をしてもらえると面白いなと思ったりしています」
Ｏｕｒ Ｎｅｗ Ｗｏｒｌｄ Ｋｉｒｉｓｈｉｍａは霧島の大自然に惹かれ、その思いを形にした作品です。 清川さん 「圧倒されます。６メートルです。絵巻物みたいですよね。自分の中では物語がずっと続いていく感じがして終わらないストーリーなので」 彼女の描く世界には、変わらない価値観があります。 “自然は綺麗だけど、脅威でもある” 美川アナウンサー 「私の中で神話ってファンタジーだと思っていたんですけれども現実とつながっているものなんですね」 清川さん 「そうです。そう思ってます。今があるのは、昔があったからこそだしすべてつながっていると思っているんですよね。現代社会に警告を受けているような感じで思うこともあるんですよ」
