『ブギウギ』における重要な存在に? 麒麟 田村裕&みのすけが朝ドラ初出演で果たす役割
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』第18週の舞台は、昭和22年(1947年)の東京。スズ子(趣里)は身ごもった愛助(水上恒司)との子を大切にしながら、「ジャズカルメン」の稽古に励んでいた。そんな彼女の周辺を彩る人物として、今週からお笑いコンビ・麒麟の田村裕と、俳優のみのすけが登場する。 【写真】スズ子の「ジャズカルメン」の稽古を見る善一(草彅剛)と小島(田村裕) 田村が演じるのは「ジャズカルメン」が上演される日帝劇場のプロデューサー・小島。小島は羽鳥(草彅剛)やスズ子に声をかけつつ、サポートしているようで、どうやら立場としてはかつてスズ子が所属していた梅丸楽劇団(UGD)の制作部長・辛島(安井順平)のような存在であるようだ。 田村がこれまで演じてきた役は、自身の幼少時代の“貧乏エピソード”を記し、大ヒットした自伝『ホームレス中学生』のイメージもあってか、高校進学時に両親が蒸発した過去を持つ青年など、壮絶な生い立ちを彷彿とさせるものが多かった。だが、今回はピシッとしたスーツを身に纏い、品の良さを漂わせている。笑うとへにゃりと崩れる顔は、場合によってはヘラヘラしているようにも見え、「お調子者」のように見えるかもしれない。しかし、スズ子の前での笑顔は彼女を気遣う優しさの表れとなっており、小島はスズ子の良き理解者、協力者であることが窺える。 好演を見せている田村だが、初の朝ドラ出演はやはり緊張したようで、「撮影が始まるともう緊張して緊張して。とにかく緊張しました。僕の人生三大緊張は初舞台、M-1、朝ドラとなりました」とコメントを寄せている。(※1) 田村と同じく朝ドラ初出演となるみのすけが演じるのは、三流ゴシップ雑誌『真相婦人』の芸能記者・鮫島。彼は「ジャズカルメン」に出演するスズ子が身重だと知り、なにかネタになるものはないかと周辺をかぎまわっているよう。 みのすけはかつて、ロックバンドの有頂天や筋肉少女帯などで活躍していたドラマー。だが、現在はバンドメンバーだったケラリーノ・サンドロヴィッチが主宰する劇団・ナイロン100℃に所属し、舞台だけではなく、映画やドラマに数多く出演し、様々な役柄を演じられる俳優となっている。NHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021年)には、徳川慶喜(草彅剛)の側近で、黒船来航に際してペリーと交渉した経験があり、のちに渋沢栄一(吉沢亮)の上司となる黒川嘉兵衛として出演。鮫島は、羽鳥が指揮する「ジャズカルメン」の本番にも顔を見せており、みのすけと草彅は大河ドラマと朝ドラ、両方で共演を果たすこととなった。 「朝のお茶の間にいかがわしい変な奴が出て来たな~と、面白がってもらえるように頑張ります」と意気込んだコメントを寄せているみのすけの言う通り、鮫島は気色悪いニヤニヤした顔でスズ子の周りに現れ、プロデューサーの小島には顔を覚えられて警戒されている。(※2) 物語では引き続き、愛助とトミ(小雪)親子のギクシャクした関係が描かれ、そこに配慮されてるとはいえ、大きなお腹を抱えたスズ子の公演が成功するかどうかのハラハラ感が追加されることに。おそらく全体としてなんだか落ち着かない雰囲気となるだろう。田村やみのすけのコミカルさがある演技は、そんな中でふっと力が抜ける役割を果たすに違いない。女優として、母として新たな道を進もうとしているスズ子の人生を2人がどう盛り上げてくれるのか。 ■参照 ※1. https://realsound.jp/movie/2024/01/post-1542933.html ※2. https://realsound.jp/movie/2023/11/post-1488088.html
久保田ひかる