【トランプ政権での日米関係を高橋洋一氏が分析】「短命内閣に終わると見透かされればトランプ氏は石破首相に会わないだろう」 交渉の鍵は「麻生・高市」ライン
その個人的な関係を背景に安倍氏はトランプ氏を説得。二国間協議で不利な条件を呑まされずに済んだ。石破首相は今からでもゴルフ練習に励むべきだが、信頼を勝ち取るのは無理かもしれない。 なぜなら当の安倍氏が「石破氏だけは総理にしてはいけない」と発言していたことはトランプ氏の耳にも入っているはずだし、短命内閣に終わると見透かされれば、トランプ氏も会わないだろう。 逆に、会うに値する相手として認められているのは安倍氏と近い麻生太郎・自民党最高顧問だが、麻生氏が石破氏の下では「動かない」という姿勢を打ち出せば、日米関係の悪化、それによる日本経済への影響を危惧した議員らによる「石破おろし」が加速する。来年1月の国会開会前に麻生氏を後ろ盾とする高市早苗・前経済安保相への交代劇が起きるなら、同20日の大統領就任前に交渉体制が整うと考えることもできる。 【プロフィール】 高橋洋一(たかはし・よういち)/1955年、東京都生まれ。嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科教授、株式会社政策工房代表取締役会長。1980年大蔵省(現・財務省)に入省、小泉内閣・第1次安倍内閣ではブレーンとして活躍。2008年に退官し、『さらば財務省!』(講談社)で第17回山本七平賞を受賞した。YouTube「高橋洋一チャンネル」で注目を集め、チャンネル登録者数は100万人を超える。 取材・構成/広野真嗣(ノンフィクションライター) ※週刊ポスト2024年11月29日号
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