アニメキャラに学ぶ「折れない心の作り方」 藤堂葵、日比野カフカ、馬狼照英らの“名言”
『ブルーロック』『ヒロアカ』『夜のクラゲは泳げない』にも名言が……
●『ブルーロック』「今度は俺がお前を喰う番だ!」 このセリフは、潔に主役の座を奪われ、はじめて敗北を喫した馬狼照英が這い上がる姿を見せつけるときに放った言葉だ。アニメ『ブルーロック』第18話では、試合で活躍できず、潔から「ヘタクソ」呼ばわりされた馬狼照英の覚醒が描かれる。挫折を味わっても自らゴールを目指し続ける馬狼の姿が、視聴者の興奮を呼んだ神回でもある。 圧倒的なプレースキルを持ちながら「俺は俺のゴールで勝つ」「他人のためにプレーすんなら、死んだ方がマシだ」とエゴ丸出しな発言を繰り返し、チームメイトを振り回していた馬狼。過激な名言の多いブルーロックにあって、フィールドの王様たる馬狼の葛藤が垣間見えるこの回は名言の宝庫と言えるだろう。 ●『僕のヒーローアカデミア』「勝ったにせよ負けたにせよ 振り返ってこそ経験ってのは活きるんだ」 現在第7期が放送中の『僕のヒーローアカデミア』。このセリフは、第1期第8話で模擬戦闘訓練が終わった後、初めての敗北にショックを受けていた爆豪勝己にオールマイトがかけた言葉だ(放送当時が2016年ということで、もはや懐かしさすらある)。爆豪は、目の前で繰り出されたデクの個性の威力と知略に打ちのめされていた。さらに優秀なクラスメイトたちの戦いぶりを目の当たりにして、自分の未熟さを痛感していた生徒にかける言葉として、これ以上に良い言葉はなかなか見つからない。 第8話のタイトル「スタートライン、爆豪の。」にぴったりの、爆豪の「こっからだ! 俺はこっから! 俺はここで1番になってやる!」というセリフもまた印象深い。そこからの“かっちゃん”の目覚ましい成長ぶりは、現在放送中の最新シーズンで特に顕著だ。 ●『夜のクラゲは泳げない』「私にもう1回、絵を描かせてくれてありがとう」 『夜のクラゲは泳げない』第5話は、クリエイターなら一度は経験したであろう挫折を描いている。爆発的に増えた動画へのコメントの中で、まひるはイラストへの辛辣な意見を見つけてしまう。特別な才能を持つメンバーの中で、自分だけが普通なのではないか。落ち込むまひるへ追い打ちをかけるように、人気イラストレーターが描いた「JELEEちゃん」のファンアートが公開される。 この第5話は、自分の絵を好きだと言ってくれている花音に「じゃあさ……あの人と私の絵、どっちの方が上手いと思ってるの?」と詰め寄るまひるの心情が描かれた、かなり辛い回でもある。しかし、まひるを奮い立たせたのもまた「絵が上手くなりたい」という想いだった。まひるのイラストレーターとしての成長も、今後の展開で楽しみな要素のひとつだ。 アニメのキャラクターたちが立ち向かう困難や試練は、私たちが人生で直面する障壁と重なり合う。邪悪な敵が現れなくても、命を狙われることがなくても、日々の生活を送ることはそれなりに大変なことだ。困難な時代を生きる私たちの心に寄り添い、支えとなってくれるのは、画面の向こうで輝く「あのキャラの言葉」なのかもしれない。
すなくじら