伊藤園「お~いお茶」ベトナム市場開拓へ本腰 子会社を新設 ファンづくりへ店頭活動とサンプリングに邁進
ファンづくりの第一歩として、村上氏が取り組むのは店頭での売り場のメンテナンスや試飲・サンプリングなどの「お~いお茶」の認知拡大活動だ。 マーチャンダイザ―(店舗巡回員)とプロモーター(試飲・サンプリングの担い手)のそれぞれの職種で人員を確保し、店頭活動とサンプリングに注力していく。 「ベトナムに限らず東南アジアでは、リスティングフィー(商品掲載料)を払えば商品を棚に並べられる。ただし、そこから売れるようにするのはメーカーの仕事。マーチャンダイザ―の主な役目は、同じ棚でもアイラインの高さに並べることや列を増やすといった店頭活動にある。一方、プロモーターには直接、消費者とコミュニケーションして商品を飲んでいただく。この2つが上手くかみ合わないと売上につながらないと考えている」。 活動の拠点は、ホーチミンに集中する日系、及び現地系のモダントレード。市場の8割を占めるとされるパパママ・ストアなどの“ジェネラルトレード”にも踏み込む。 「現地に赴任するからには、ジェネラルトレードの大きなパイを獲りにいかないといけないが、商品を店舗に納品することがゴールではない。現地のお客様にどのように「お~いお茶」の魅力を認知していただくかどのように配荷していくかを含めて考えていきたい」と述べる。
コミュニケーション活動は、市川團十郎白猿を起用したグローバル広告「日本には世界一のお茶がある」篇を活用するほかSNSでも発信していく。 SNSでの発信にあたっては「シンガポール、タイ、インドネシアなど周辺諸国の子会社と連携して手応えのあった施策や発信内容を共有していく」。 商品ラインアップとしては、ベトナムのお茶の生産量は世界6位に上ることから引き続き「お~いお茶 緑茶」の500mlと1LPETPETに注力していく。 ベトナムは世界有数のお茶大国であるが、日本茶や緑茶飲料の競合商品は少ない。 「ベトナムで無糖のお茶をしっかり浸透させて、まずは認知していただく。ベトナムは人口が倍々の勢いで増加し、平均年齢は物凄く若いので、伸びしろがあると感じている」と期待を膨らませる。