落語協会百年興行、大千秋楽に東西3会長そろい踏み 喬太郎発案の“シークレット公演”も実施
雲助、小朝、一之輔ら8人のプロデュース公演も
落語家の柳家さん喬(76)が会長を務める落語協会が26日、都内で会見し、今年2月から続けている「百年興行」のファイナルシリーズの詳細を明かした。最終興行にあたる池袋演芸場2月下席(昼の部。21日~28日)の大千秋楽には、落語芸術協会の春風亭昇太(65)、上方落語協会の笑福亭仁智(72)がスペシャルゲストとして出演し、“落語界の3会長”そろい踏みとなる。(取材・文=渡邉寧久) 【写真】落語協会の9人が出席 会見での集合写真 会見の冒頭、さん喬は「寄席を中心にして(協会員に)活動をしていたけたことが何よりです」と、落語家の修行の場である寄席でさまざまな興行を展開できたことに感謝。百年実行委員長で同協会副会長の林家正蔵(62)は、「個人商売だからまとまらないぞ、という声もあった中、手弁当で動いてくださった」と協会員の結束力を伝えた。 1月下席の「三代目林家正楽一周忌追善興行」(鈴本演芸場)、2月上席の「名人たちを偲ぶ座談会と重鎮傘下の豆まき」(新宿末広亭)、2月中席の「唄う浅草 踊る浅草」(浅草演芸ホール)などを経て、2月下席のグランドフィナーレ「豪華メンバーによる日替わりプロデュース公演」(池袋演芸場)で大団円を迎える。 実行委員の橘家圓太郎(62)は、「(協会員)全員が出演するということを目標にやって来ました。来年の公演で、喬太郎さんが提案した全員出演を達成します」と全員の出演にめどをつけたと明かす。 さん喬、昇太、仁智の東西落語界の3会長がそろい踏みとなるグランドフィナーレは、人間国宝の五街道雲助(75)や春風亭小朝(69)、春風亭一之輔(47)らによるプロデュース公演。自身のセンスで、番組(プログラム)を組むという。しかも、出演者を事前に明かさないシークレット公演。寄席演芸史上、実に珍しい試みだ。 発案者の柳家喬太郎(61)は、出演者をあえて明かさないことについて「わくわくしながら寄席に来ていただきたいんですね。わくわくに(出演者が)答える、本来の姿をお届けできればいいなと思っています」と意気込みを伝えた。 1年間限定の契約で販売されていたユニクロの落語協会Tシャツも、100年の文言を取る形で、販売継続される。
渡邉寧久