もうすぐ65歳で、月の年金は「10万円」程度です。同世代の友人はみな働き続けていますが、やはり今は老後も働く必要がありますか? 生活費が10万円では厳しいでしょうか?
年金の受給開始は原則65歳からですが、老後の生活に金銭的な不安を感じる人もいるでしょう。「年金額が少ないから、働き続けるしかなさそう……」「周りも働く予定の人が多いみたい」など、年金以外の収入を得ようという周囲からの声が聞こえてくればなおさらです。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算 現在、65歳以上でも働く人が増えていますが、実際にどのくらいいるのかを本記事で紹介します。
65歳以降も働く割合は、男性61.0% 女性41.3%
内閣府 令和5年版高齢社会白書(全体版)における男女別就業状況によると、65歳~69歳の男性の61.0%、女性の41.3%が継続して働いているようです。また、現在仕事での収入がある60歳以上の人の約4割が、「働けるうちはいつまでも」働きたいという回答をしていて、就業意欲が高い人が多いことが分かります。 ■雇用形態は非正規雇用が大半 60歳~69歳で働く人のうち非正規雇用の割合は、男性で60歳~64歳が45.3%、65歳~69歳が67.3%、女性で60歳~64歳が74.4%、65歳~69歳が84.3%となっています。 定年を迎えた60歳以降のタイミングで、非常に多くの人が非正規雇用にシフトしているようです。ライフスタイルに合わせた働き方がしやすくなる一方で、正規雇用の状態と比べて給与は一般的に低くなってしまいます。
背景には高年齢者雇用安定法が存在
2021年4月より、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)が改正されました。 主な改正の内容として、事業主は「70歳までの定年の引上げ」や「定年制の廃止」、「70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入」などの取り組みが求められるようになりました。今後も法改正される可能性はあり、高年齢者の就業率がさらに増加するかもしれません。
月10万円の年金収入のみでの生活は難しい
総務省 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要によると、65歳以上の単身無職世帯の支出平均額は15万5495円です。そのため、月10万円の年金収入のみでは、毎月5万5495円の赤字になります。十分な貯蓄がないかぎり、その赤字分を補うだけの労働をする必要性が高いと言えるかもしれません。