バッハとベートーヴェンの音楽とダンスの融合 Co.Ruri Mito新作公演『NOBODY IS HERE』
ダンス界の巨星、笠井叡が振り付けを担当し、三東瑠璃と大植真太郎が踊る究極のデュオダンスが誕生する。タイトルは『NOBODY』。この作品では、身体の創造性を追求してきたダンス・モンスターたちが、バッハとベートーヴェンのピアノ曲に挑戦し、その多様性を活かして表現を紡ぎ出す。伴奏は、大瀧拓哉が務める。言語や思考を超え、"NOBODY"という存在が立ち上がるという、新たな可能性を追求した作品だ。 【全ての写真】『NOBODY IS HERE』稽古風景 笠井は、振り付けについて「逆さまになった時間をたどること、その一歩一歩の歩行そのもの」とコメント。その中で彼が重視するのは、ダンサーの体を作品として作り上げる行為だ。それはひとりではできず、男女が出会って新しい生命が生まれるようなものだと語る。また、彼は三東瑠璃と大植真太郎の力を絶賛。三東について「心臓の中に 不壊の泉がある。壊せば壊すほどに誕生してくるものがある。瑠璃さんとはそんな泉だ」と語り、大植については「聖者でありながら、賊人である。獣の本能が絹ごしの光に変わる真太郎の未知なる世界は予想することすら僕にはできない。破格のダンサー」だと評価した。 演奏曲は、ベートーヴェンの「エロイカ変奏曲」から主題と15の変奏と、J.S.バッハの「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903」が予定されている。 才能が結集したこの作品は、新たな表現の可能性を追求し、ダンスと音楽の境界を超えて観客を魅了するだろう。 芸劇 dance Co. Ruri Mito『NOBODY IS HERE』公演は、1月26日(金)から28日 (日)まで。東京・池袋の芸術劇場シアターイーストにて上演。 <笠井叡 コメント全文> 僕にとって振付とは、逆さまになった時間をたどること、その一歩一歩の歩行そのもの。ダンスには、作品を構成して舞台に作り上げる、僕の言葉で言えば作品主義と言う行為と、今向かっているダンサーの体を作品として作り上げていこうとする行為の2種類がある。僕にとって振付とは構成そのもの よりもそれを通してダンサーの新しい体を生み出したいのだ。それは僕ひとりではできない。1組の男女が出会って新しい生命としての子が生まれるように。それは未知のカラダ。それは水晶のような気形透明体、天地開闢以来1度も存在したことのない未知のカラダでありたい! 心臓の中に 不壊の泉がある。壊せば壊すほどに誕生してくるものがある。瑠璃さんとはそんな泉だ。 外見から見える真太郎と彼のカラダの内部に入ってみる彼の内側の姿はあまりに隔たりが大きくその違いに僕はめまいを起こす。聖者でありながら、賊人である。人と寄り添っていきながら裏切りを隠そうとはしない。獣の本能が絹ごしの光に変わる真太郎の未知なる世界は予想することすら僕にはできない。破格のダンサー。 <公演情報> Co.Ruri Mito主催・2024新作公演① 『NOBODY IS HERE』 振付・演出:笠井叡 演奏:大瀧拓哉 出演: 三東瑠璃 大植真太郎 2024年1月26日(金)~1月28日 (日) 会場:東京芸術劇場シアターイースト