手土産におすすめ、知られざるぜいたくデニッシュ グランドハイアット東京
連載《hotel TIPS》Vol.7
編集長がホテルのおいしいものや楽しみを探しに行く「hotel TIPS」。今回はグランド ハイアット 東京(東京・港)で買える、見た目も中身もぜいたくなパン「モーンデニッシュ」を紹介します。 【動画・写真はこちら】1分でわかる! モーンデニッシュのおいしさの秘密 シェフは何を語る?
■ペーストの風味が濃厚 洋酒にもぴったり
ホテルのパンといえばリッチな味わいや素材感が売り物ですが、このデニッシュはその代表格といえるでしょう。モーンペーストの濃厚で香ばしい風味が口いっぱいに広がり、コーヒーや洋酒にぴったり。もはやデザートといってもいい存在感ですが、甘さが苦手という男性も女性もとりこにしてしまう奥ゆかしさもあります。 そんな多彩な表情をみせるデニッシュの素顔を探ろうと、ペストリーブティック「フィオレンティーナ」を訪れました。 お目当ての品は棚の上段にデンと並んで鎮座していました。値段は2500円。「高いでしょ。でも、最高にうまいんだよ」。ベーカリー料理長の本田修一さんが、そう言っておいしそうにほお張ります。レシピを開発したのが、この本田さん。マーブル状になった黒い部分は「モーンという黒ケシの実を甘く煮詰めたもの。うちではドイツ製のモーンペーストを使っています」。 グランド ハイアット 東京は2003年の六本木ヒルズ開業と同時にオープンしました。本田さんも開業に合わせてベーカリーシェフに就任。すると当時、総料理長だったドイツ人シェフのジョセフ・ブデさんが、本田さんにこんな注文を出したそうです。「モーンを使ったデニッシュを作れるかい?」 日本ではあまりなじみのないモーンデニッシュですが、ドイツでは人気のあるポピュラーなパン。本田さんは早速試作にとりかかり、ついにはブデさんが太鼓判を押すほどの商品を完成させました。その時のレシピは20年以上たった今もほぼ変わっていません。 本田さんの工夫が光るのは、粘り気が強いモーンペーストに牛乳とケーキクラム(スポンジケーキを粉砕したもの)を加え、ゆるめている点です。「そうすると生地に塗りやすく、風味も増し、たっぷり使うことができるんです」