アバクロ元CEOは性加害で逮捕、Nスペも再放送…それでもジャニーズ起用にこだわるNHKの“自己矛盾”
22日、米アパレル大手「アバクロンビー&フィッチ」のマイク・ジェフリーズ元CEOが、在任中に国際的な性的人身売買組織を運営していたとして逮捕・起訴された。ジェフリーズは、アバクロのモデル起用をエサに、モデル応募者に性行為を要求。秘密保持契約に署名させた後、ジェフリーズやスミス、その他の人物とセックスを強要したり、セックスイベントへの参加強要など、在任中、20年にわたり悪事を繰り返していたという。 旧ジャニーズ性加害問題は幕引きで…スマイル社長の東山紀之が芸能活動を再開か? 少年たちの夢を食い荒らし、何十年も性加害を繰り返していた手口はまさに日本のジャニー喜多川氏と同じ手口である。 同ブランドは「アバクロ」と呼ばれ、アバクロのメンズモデルは“マッチョイケメン”の代名詞的存在でもある。日本では2009年に銀座店がオープンの際、開店前に800人が並び、アバクロのメンズモデルたちとの写真撮影に長蛇の列ができたことでも話題になった。そんな世界的ブランドの組織ぐるみの被害者は100人を超えるといわれており、アメリカ国内外で波紋が広がっている。
「Nスペを制作した報道部門に罪の意識が感じられず」
そんな中、NHKはNHKスペシャル「ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像」を20日21時に放送。23日深夜にも再放送し、世界に警鐘を鳴らすかのように見せつつも、旧ジャニーズの番組起用を再開するというNHKの“自己矛盾”を問う声も高まっている。同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏がこう言う。 「NHKは民放が旧ジャニーズ起用を再開する中、見切り発車せず、公共放送たるべく硬派な一面を見せていただけに、Nスぺの内容は中途半端。番組の最後にエンタメ部門のOBが過去をわびるような内容で話をまとめ『報道とエンタメは別』と批判を回避し、OB1人に罪をなすり付けた感が否めない。つまり、制作した報道部門に罪の意識が感じられなかったのです。検証に必要なのは、現NHK職員がどうなのかであり、視聴者からすれば報道もエンタメも、どちらもNHK。報道部門もジャニーズ問題に関して当事者であり、加害者だということを忘れるべきではありません」 それでもNHKは旧ジャニーズタレントを大晦日の紅白歌合戦で起用するのか。 ◇ ◇ ◇ 早くも「なかったこと」になり始めているジャニーズ問題。●関連記事【もっと読む】ジャニーズ性加害問題は組織犯罪。喜多川ひとりを悪魔化して属人的問題に帰することは、巨大な性犯罪の矮小化につながる…では、問題の風化を憂える松尾潔氏が舌鋒鋭くジャニーズを批判している。