箱根駅伝Stories/再び山に挑む城西大・山本唯翔「目標は区間新記録。最後は笑顔で終わりたい」
新春の風物詩・箱根駅伝の100回大会に挑む出場全23校の選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。それぞれが歩んできた1年間の足跡をたどった。 第100回箱根駅伝の城西大エントリー選手名鑑をチェック!
学生トップランナーへと成長
前回の箱根駅伝で5区区間賞に輝いた山本唯翔(4年)。櫛部静二監督が発した「山の妖精」のフレーズとともに、にわかに注目を集めた。2023年は2月に丸亀ハーフで1時間1分34秒と大学記録を更新。8月のワールドユニバーシティゲームズ10000mで銅メダルを獲得するなど、学生長距離界を代表する選手へと成長を遂げている。 学生生活最後の駅伝シーズン。まずは出雲駅伝。山本はエースが集う最終6区(10.2km)を走り、区間3位。総合でも3位に入り、大学史上最高順位でゴールした。 「1区で斎藤(将也/2年)の転倒もありましたが、みんなが順位を押し上げてくれました。アンカーでは後ろから青学大と國學院大が迫ってきていましたが、『絶対にこの順位は守らないといけない』という使命感を持って走りました。総合3位はチームとして大きな躍進。三大駅伝でいいスタートを切れました」 続いて全日本大学駅伝。再び最終8区(19.7km)を任されて区間5位。総合でも5位と、これまた大学史上最高順位でフィニッシュした。 「1年生の時に7区(17.6km、区間13位)を走りましたが、8区は初めて。コースも最長で後半に上りがあったりして、自分には合うコースだと思いました。最初の5kmを突っ込んで後半耐えるレースプランでしたが、暑さもあり耐える走りになりました。しかし、チーム目標の5位まで順位を上げゴールできたのは自信になりました」 その全日本から1週間後。11月11日の日体大長距離競技会10000mで、出場した城西大の選手7人全員が自己ベストを記録した。しかもヴィクター・キムタイ(2年)が27分41秒04、斎藤が27分59秒69。山本は斎藤に自己記録を抜かれた。 「あの日は大学でポイント練習をしていました。2人が27分台に乗ったのはすごいなと思います。斎藤に自分のタイムを越されたのは少し悔しい部分もありますが、駅伝はチームスポーツ。選手層の厚みが生まれました。自分も走りたかったなという気持ちもなくはなかったですが、みんなが強くなったのはうれしいです」と後輩たちの奮起に、自身もやる気をみなぎらせる。