たった1年だけ存在したクルマ。過渡期に生まれた幻のワークスマシン、バイオレットGTS仕様
以前にも紹介した日産ラリーカーマニアのオーナー。その彼のクルマの中でもひときわマニア度の高い1台がこのUS110シルビア。なぜこれがそんなにマニアックなのか、彼の変態ぶりとともに紹介しよう。 【画像28枚】グループ再編の過渡期に開発されたこのクルマが表舞台に出たのはたった一年の間だけだった。ワークス同様のカラーリングが施されたボディ。もちろんCIBIEのフォグランプカバーや網状のヘッドランプガードなども装着 【日産ラリーカーマニアのバイオレットGTS仕様】 なぜこんなクルマがたった1年だけ存在したのだろうか。実はFISA(93年まで存在した国際自動車スポーツ連盟でFIA(国際自動車連盟)に統合された)が1982年より当時グループ1~9まであった区分けをグループA、B、C、N、Fへ再編。この過渡期にPA10バイオレットと足回りなどが共通のS110型シルビアをベースしたワークスマシンを開発。 このときFJ20型をベースに製作したFJ24型エンジンを載せた240RSの前に、1981年のグループ4に出場したPA10バイオレットに搭載されたLZ20B型エンジンを載せたバイオレットGTSを、グループBと混走できたグループ4車両として投入したのだった。 ちなみに1981年までPA10バイオレットで3連覇していたドライバーのシェカー・メッタだが、サファリにおいては、前年まで搭乗していたPA10バイオレットで参戦し見事4連覇を果たす。しかし、1983年からは日産と契約を結ぶことができず、日産の連勝記録も途絶えることになった。 初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部