鍵山優真が今季3人目の300点超えで金メダルを射止めた「(世界選手権には)もっと自分の技を磨いて、自信をつけて臨みたい」 | ISU四大陸フィギュアスケート選手権2024 男子シングル レビュー
2位で終えたSPはSBどころか、佐藤はPBを一気に7.59点も塗り替えた。99.20点と、史上14人目の100点台にも迫る勢い。FS自体は3位175.39点で終え、自己ベストとは行かなかったが、トータルの274.59点でやはりPBを更新している。
躍進の第1の原動力は、間違いなく4回転ルッツ。アクセルに次ぐ難ジャンプを、キャリアで初めてSP・FSともに成功させた。特にSPでは今シーズンここまで1度も組み込まず、むしろ4回転フリップを飛んできたが、この四大陸では改めて導入。11.5点の基礎点にGOE2.17点がついた。「ここまで点数が出ると思っていなかった」と本人も驚くほどの素晴らしい出来だったが、FS冒頭ではさらに雄大なルッツを降り、GOEも3.45にのばした。
ルッツ以外でも、今大会の佐藤は極めて安定したジャンプを見せた。SPはすべてが文句なしの出来で、FSは演技後半で3回転ループの着氷が乱れたのみ。FS前半のコンビネーションで、2本目に予定していた3回転がつけられなかったことは悔やまれるが、そこは2回転で上手くまとめた。
そして躍進の第2の原動力は、PCSの伸びだった。今季「表現力」をテーマに励んできた佐藤の、努力は数字にきっちり反映された。宮本賢二氏の手によるSP「Libertango」では、この1年で1.5点近く得点がのび、ギヨーム・シゼロンが振り付けたFS「四季」では、2年ぶりにPB更新。「トータルパッケージ」の選手へと、佐藤は着実に進化している。
初出場山本草太は、4位という結果に関しては、素直に悔しさを口にする。SPはノーミスの演技でSBをマークし、しかも表彰台まで0.86点差の4位で折り返した。FSでの逆転表彰台は、十分に可能だった。ちなみにプログラム3番目のジャンプ要素である3回転アクセルが、今シーズンの全日本と同様にぎりぎりで後半認定されず……貴重な0.80点を取り逃している。
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