「迷ったら規模を拡大」、OpenAI創業者が語ったID認証事業への意気込み
帝国の中の「小さな存在」
■帝国の中の「小さな存在」 ワールドは、立ち上げの以前から物議を醸していた。プライバシーの専門家たちは、暗号資産と引き換えに生体データを提供することに懸念を示しており、一部のメディアは、低所得者たちが虹彩をスキャンしたものの、暗号資産の立ち上げに何年もかかったために憤慨していると報じた。オーブを取り扱う請負業者たちの多くも低所得者層で、彼らは現地当局から嫌がらせを受けたり逮捕されるなどの危ない目に遭った上、ワールドから報酬が支払われなかったり、パフォーマンス目標が変更されることがあったという。 2019年にワールドが設立されて以来、アルトマンは一躍スターダムへ駆け上がった。OpenAIとChatGPTの成功により、彼はテクノロジー界で最も有力な人物の1人となった。しかし、ツールズ・フォー・ヒューマニティは、アルトマンが築いた帝国の中では小さな存在だ。 今月初め、OpenAIはベンチャーキャピタルからの調達としては史上最大規模となる66億ドル(約9870億円)を調達したと発表した。これに対し、ツールズ・フォー・ヒューマニティが昨年調達した額は1億5000万ドルに過ぎない(ピッチブックによると、同社の評価額は24億7000万ドルで、累計調達額は2億4000万ドルだという)。 イベントで、アルトマンは2022年に開催した非公開のサミットで従業員に対して述べたコメントを引用し、大規模なネットワークの構築にはプラットフォームを拡張することが重要であることを強調した。「私が時々言うジョークに『迷ったら規模を拡大せよ』というものがある。我々は、これを大規模に行ったら何が起こるか見てみたいのだ」と彼は語った。
Richard Nieva