原因は自分にある。はどんなコンセプトも乗りこなす デビュー当初から一貫する高い表現力
「原因は自分にある。」発表当時から心を鷲掴み
その根源は、昨今のグループの傾向としてコンセプトを明確にした楽曲をリリースすることで身についたものではない。2019年、原因は自分にある。というグループ名に改名し、最初にリリースされた楽曲「原因は自分にある。」を発表した当時から健在だ。 同楽曲では、サビの〈原因は自分にある。んだって〉の歌詞の部分で、笑顔のまま後ろを向いたメンバー7人が、パッと真顔やクールな顔に変わって振り向く表情が魅力。さらに〈沈黙で〉の部分での大人っぽい表情は、見た者の興味をそそり、心を鷲掴みにしてきた。 また、これまでに紹介した楽曲に限らず、言葉遊びを交えた哲学的なワードが多いということもあり、歌詞の一言一言を大切にしてきている彼ら。言葉とリンクさせた振り付けや表情は、ステージの上で特に光っている。 ただ、あくまでも原因は自分にある。の与える世界は多世界解釈である。きっと、これまでもそうしてきたように、コンセプトを表現する先導者でありながらも、リスナーの数だけ解釈が存在する、そんな世界を許容する余白を見せてくれることだろう。
於ありさ