【バレー】“ビーストモード”全開! ヴォレアス張育陞が初のV1で抱く思い「ここにいられるのが幸せです」
勝負どころでアンストッパブルな活躍を披露する張
2016年のチーム創設以来、悲願だったVリーグの最上位カテゴリー、DIVISION1を戦うヴォレアス北海道。その2023-24シーズンは開幕から未勝利と苦しんではいるものの、あふれんばかりの闘志でチームを率いる選手がいる。今季からキャプテンを務める、張育陞(チャン・ユーシェン/チャイニーズタイペイ)だ。 【ギャラリー】チーム史上初のV1を戦うヴォレアス北海道(10点) きた、きた。目に見えて、ギアが上がっている。パフォーマンスは、まさに最高到達点だ。 11月5日、アウェーでの日本製鉄堺ブレイザーズ戦に乗り込んだヴォレアス北海道は、ストレート負けを喫した前日に続いて、この日も第1セットを落とす。それでも第2セットは競り合いを抜け出し、20-18とリード。日鉄堺BZのタイムアウトが明け、そこからさらに連続得点を挙げて22-18と突き放した。いずれも張のサーブから始まったプレーであり、トランジションから張がバックアタックであげたポイントだった。 相手レシーバーを強襲するサーブに加えて、全身をボールにぶつけるようにして放つ強烈なスパイク。張の真骨頂だ。その攻撃をチョイスしたセッターの山岸隼は、この場面での張の姿をこう振り返った。 「昨日(4日)は調子が悪かった分、今日は朝から様子が違いましたし、アップからも気合が入っていました。20点目以降、強い意志が表れていたのを、僕たちも感じていました」 対戦相手が太刀打ちできないような境地に至ったときの張のパフォーマンスを、チームはこのように呼んでいる。 ビーストモード、と。
「チームに勇気をもたらす」と指揮官
結果として、この第2セットをジュースの末に落とし、ヴォレアスは2日間ともストレートで敗れた。そんななか、張は「自分の仕事ができなかった」と8得点に終わった4日から一転、この試合ではチーム最多19得点と気を吐いている。 ギア全開、ビーストモードに突入したとき、当の本人はどのような心理なのか。興奮、それとも冷静? 「絶対にブロックされたくない。そんな思いです」 得点する、その一心。そして、それはチームが張に求めているものでもある。エド・クライン監督の評価は、こうだ。 「彼は試合のスコアに関わらず、いかに得点するかにフォーカスします。タフな状況になれば、いつも彼にトスが上がりますし、どんな場面でも力強くサーブを打ちます。そんな彼の姿がチーム全体に勇気をもたらすのです」