舞台『マリオネットホテル』キービジュアル

　2024年9月～10月に東京・大阪にて上演されるTRUMPシリーズの最新作、舞台『マリオネットホテル』のキービジュアルと追加キャストが発表された。 【写真】染谷俊之扮するダリ・デリコのキャラクタービジュアル 　TRUMPシリーズとは、劇作家・末満健一がライフワークに掲げ、2009年より展開する演劇シリーズ作品。人間でいうところの思春期＝繭期（まゆき）の吸血種の少年たちが生を渇望する姿を描いたシリーズの原点『TRUMP』の他、『LILIUM』、『SPECTER』、『グランギニョル』、『マリーゴールド』、『COCOON 月の翳り星ひとつ』、『黒世界 雨下の章・日和の章』、『ヴェラキッカ』がこれまでに上演されており、動員13万人を超える人気作となっている。さらに、公演から派生した短篇小説の発表、劇中音楽コンサート『繭期夜会』の開催、コラボカフェ、衣裳展、コミカライズ化など、演劇の枠を超えて展開している。 　本年は、シリーズ15周年アニバーサリーイヤー。2023年4月、アニバーサリーの皮切りに、シリーズ２作目『LILIUM-リリウム少女純潔歌劇-』をオールキャストオーディションにて再演。そして今夏、2017年上演『グランギニョル』のその後を描く物語として長らく構想してきた新作「デリコズ・ナーサリー」が、シリーズ初となるTVアニメ化。 　さらに本作『マリオネットホテル』は、『グランギニョル』の前日譚となり、15周年はシリーズの原点『TRUMP』から登場する人気キャラクター ダリ・デリコ尽くしのアニバーサリーとなる。 　主人公・ダリ・デリコを演じるのは染谷俊之。『グランギニョル』『COCOON 星ひとつ』に続き、再びダリ・デリコを演じる。また、数々のTRUMPシリーズにも出演し、シリーズ全体を盛り上げてきた、元宝塚歌劇団雪組トップ娘役の愛加あゆがジョー・ヴェラキッカを演じる。 　そしてこの度、舞台『刀剣乱舞』シリーズ山姥切長義役などで活躍する梅津瑞樹、元宝塚歌劇団花組スターの瀬戸かずやなど、多彩な出演者が物語を彩る追加キャストが発表された。 　なお本公演では、立体音響システム『d&b Soundscape』の導入も決定。欧米のミュージカルですでに主流となっており、国内外で注目されているこのシステムは、生音のような自然な音を観客に届けることができるため、TRUMPシリーズ独自の世界観により一層没入することができるとのこと。 【キャスト、演出家コメント】 ■ダリ・デリコ／染谷俊之 再びTRUMPシリーズに携わらせて頂き、とても嬉しく思います。 今回のマリオネットホテルはグランギニョルの前日譚という事で、どんな作品になるのか僕自身とても楽しみにしています。 願わくばハッピーエンドでありますように。劇場でお待ちしています☆ ■ジョー・ヴェラキッカ／愛加あゆ 私がTRUMPシリーズと出逢ったのが7年前の『グランギニョル』です。そこから末満さんのつくるTRUMPの世界に魅了され、私も人生の中で大きく影響を受けました。シリーズ15周年という記念すべき年にまた参加出来ること、そして繭期の皆様と再会出来る事をとても嬉しく思います。 今回はどんな景色が見えるのか…。劇場でお待ちしてます！ ■エゴ・ヴェラキッカ／梅津瑞樹 何を隠そう、末満さんとはじめてご一緒することが決まった際、サンシャイン劇場へと観に行ったのが「TRUMPシリーズ」でした。なので、こうしてお呼びいただける日が来たことは夢のようです。 仄暗く美しいあの世界の中で、自分がどのような役割を与えられるのか、そして末満さんとお芝居できる貴重な機会…何もかもが楽しみです。 ■モネ・スタンフィールド／瀬戸かずや 長年沢山の方々に愛され続けているこのTRUMPシリーズに初参加させていただくにあたり、緊張感と高揚感でいっぱいです！ 皆さんにしっかり食らいついて、頭フル回転させ全力で挑んで参ります！！ ■作・演出 末満健一 2009年に大阪の小劇場で『TRUMP』を初演した時、まさか15年後もこの題材を自分が取り扱っているとは予想だにしていませんでした。予想はしていませんでしたがあれやこれやと夢想はしていました。『TRUMP』に登場するキャラクターたちを掘り下げる作品をやりたい。オリジナル劇中歌のコンサートをしてみたい。『TRUMP』を漫画にしたい。『TRUMP』のシリーズ新作を演劇ではなくアニメでやりたい。その夢想の数々は多くの方の力添えにより実現することとなりました。吃驚するとともに感謝しきりです。 15周年記念作品として上演される『マリオネットホテル』も夢想した中のひとつ。 TRUMPシリーズの中でいろんな形式の演劇をやってみたい。アガサ・クリスティの密室ミステリーをじっくりとした会話劇のようなもので。ジャンルとしては「ミステリー」となりますが、TRUMPシリーズの世界の中で巻き起こるそれは一筋縄ではいかないミステリーとなりそうです。加えて『TRUMP』がシリーズ化する大きな転機となった『グランギニョル』とその後日譚であるTVアニメ『デリコズ・ナーサリー』へと繋がる物語。主人公ダリ・デリコは2017年『グランギニョル』でダリ役を演じてくれた染谷俊之くんが続投。他のキャストもこれまで他の現場で出会った、僕が演出家として信頼できるキャストたちに集まっていただきました。 盤石の布陣のキャストで贈るTRUMPシリーズ初の本格ミステリー……と言いたいところですが、本格じゃない奇妙なミステリー。どうぞお楽しみください。 【公演概要】 舞台『マリオネットホテル』 東京公演：2024年9月14日（土）～29日（日）サンシャイン劇場 大阪公演：2024年10月3日（木）～10月6日（日）サンケイホールブリーゼ 作・演出：末満健一 音楽：和田俊輔 出演：染谷俊之、愛加あゆ、梅津瑞樹、神農直隆、川崎愛香里、トヨザワトモコ、末満健一、瀬戸かずや 池之上頼嗣、井上望、貴田由佳子、小松育海、中道杏菜、真弓 スウィング：笠原希々花、中山脩悟 ▼あらすじ すべてがイニシアチブの糸で支配された 奇妙奇天烈なホテルで巻き起こる《クローズド・サークル・ミステリー》 完全階級社会である吸血種の世界。特級貴族であるダリ・デリコ（染谷俊之）のもとに、差出人不明の一通の手紙が届く。手紙に誘われたダリが或る古びたホテルに赴くと、支配人ムンク・ミーラン（神農直隆）や従業員たちに歓迎される。そのホテルは従業員や宿泊客の全員が、何者かによってイニシアチブを掌握されている《マリオネットホテル》であった。 そこにはダリと婚約破棄となったフリーダの妹であるジョー・ヴェラキッカ（愛加あゆ）と弟のエゴ・ヴェラキッカ（梅津瑞樹）、ダリの亡き父クロードの部下であったモネ・スタンフィールド（瀬戸かずや）、ダリの旧友であるゲルハルトの妹フランチェスカ・フラ（川崎愛香里）、他にも名門デリコ家に縁のある者たちが集められていた。 秘密を解き明かそうとするダリたち。この状況を招いた黒幕である《人形使い》とは一体誰なのか？ ダリはなぜ《マリオネットホテル》へと導かれたのか？ その秘密を解き明かそうとする時、過去の因縁が姿を現すこととなる。