柳井市が発行した7月11日号の「広報やない」。河村勇輝選手がボールを手にする写真が表紙に掲載されている

　河村選手の画像欲しいー。パリ五輪に出場する男子バスケットボール日本代表で柳井市出身の河村勇輝選手（23）＝柳井中学校出身＝が表紙に掲載された7月号の市広報紙「広報やない」がフリーマーケットアプリで高値で取引されている。税金で作製し市民に毎月1回無料配布する冊子が有料で販売されていることに市は難色を示しつつも「全国注目の選手だけに人気が爆発していることは率直にうれしい」と表情は幾分複雑だ。 　広報紙は市が業者に委託し毎月第2木曜に1万5500部を印刷。自治会を通じて各世帯に配っているほか市役所や商業施設で配布している。バドミントン男子ダブルスで五輪出場を決めた保木卓朗選手（28）＝日積小学校出身＝の6月号掲載に続き、7月号には初の五輪代表に決まり来季の全米バスケットボール協会（NBA）への挑戦を表明した全国注目の河村選手を表紙に取り上げた。 　市生涯学習・スポーツ推進課によると、11日に市職員がフリマアプリ「メルカリ」で販売されているのを発見した。1部444円の商品は販売済みで12日に確認すると同5千円の値が付いた商品も上がっていたという。 　五輪事業を所管する同課職員は「税金で作り市民に無料配布している広報紙なので有料で販売されるのは本意ではない」と断った上で「48年ぶりに自力で五輪出場を決めた男子バスケットボールに注目が集まる中での主力選手なので、注目されていることについては率直にうれしい」と話す。 　本紙の取材に井原健太郎市長は「販売自体はやりすぎだと思うが、河村選手の人気のバロメーターであり、その点については好感する。深夜の試合も含めてパブリック・ビューイング（PV）で市民の皆さまと全力応援する」と述べた。 　市は「販売目的で広報紙を持って行かず、市ホームページでも画像を見てもらい、テレビ放映で活躍を楽しんで応援していただきたい」と冷静な対応を呼びかけている。