タクフェス第12弾『夕 -ゆう-』稽古場を公開 キャスト陣から意気込みコメントも!
脚本家、俳優としてテレビドラマ、映画などで活躍を続ける宅間孝行によるエンターテイメントプロジェクト「タクフェス」。 第12弾作品はタクフェスでも人気の『夕 -ゆう-』だ。 舞台は1980年代の長崎の夏。 海の家兼民宿「あいかわ」に住むヤンキー兄弟の次男坊・元弥(古屋敬多)は底抜けに明るくて底抜けにおバカ。その元弥を「もっちゃん」と呼び、淡い恋心を寄せるのが隣に住む幼なじみの夕(矢島舞美)だ。 しかし、夕の想いを知らない元弥は夕の親友・薫(中村静香)に片想い中。しかし、薫は元弥の親友・憲太郎(松本幸大)に恋をしていて……そんなみんなを見守る夕と薫の友人・信子(三戸なつめ)、と恋愛に友情に、これぞ青春! を描いた作品だ。 【全ての写真】タクフェス第12弾『夕 -ゆう-』稽古場より(全13枚) そんな『夕 -ゆう-』の稽古の様子が報道陣に公開され、併せて矢島舞美、古屋敬多、中村静香、松本幸大、三戸なつめ、宅間孝行らが意気込みを語った。 公開されたのは薫が意を決して告白しようとするシーン。自分が告白されるんじゃないかと期待をする元弥、元弥を盛り上げる憲太郎。そして夕は告白しようとする薫の背中を押すために付き添っていた。 が、ここで薫の片想いの相手は憲太郎と発覚する。落ち込む元弥、と同時に、元弥の好きな相手が自分の親友だと知り、夕はショックを受ける。 元弥が勘違いをして盛り上がっている様子は微笑ましく、それでいて思いがすれ違ってしまうシーンには胸が締め付けられる。それだけでも『夕 -ゆう-』の魅力が伝わってくるようだ。 長崎が舞台ということで、物語は全編が長崎弁だ。稽古前のインタビューでそのことに触れられると、キャストの大半から「難しい」とのコメントが。 矢島は「方言指導の方もいらっしゃるのでしっかりとそこからは。長崎での公演もあるので、恥ずかしくないように改善していけたらいいな、と思っています」。 福岡出身だという古屋は、「語尾が一緒だったり、とわりと近いんですよ」と言うが、イントネーションは違うそうで、「わからないまま、たまに福岡弁でごまかしたりしています(笑)。多分、長崎の人が聞いたら違うんだろうな、と思うんですけど、本番までにはしっかりと矯正して長崎人になりたいと思います」と語った。 関西出身の中村も苦戦。「稽古場で、普段の雑談も長崎弁で話そうと意識してやっている」と明かした。東京出身の松本は「方言に触れてこない人生だった」と言い、「今、宅間さんが引っ張ってくださって、いろいろギフトをいただいてるんですけど、そこにプラス長崎弁のギフトが入ってくるとなるとまた大変だな、と。でも、最高のものをみんなで作りたいという気持ちがあるので、全力で挑むしかないな、という気持ちでいます」と力強く語った。 一方、楽しんでやっていると言うのが三戸。「私も関西人なので、関西弁にならないように意識しながらやっています。でも方言を喋るのは楽しいです。ワクワクしながら役作りしています」と言ったが、宅間から「三戸ちゃんの役はボソボソとしゃべる感じだから、あんまりイントネーションがなくて楽だっていうだけだと思う」とツッコミを入れる場面も。 ただ、全体の長崎弁について宅間は「みんな多分すごく勉強をしてきてるんだと思う」とたたえた。 そして、今回10年ぶりとなる『夕 -ゆう-』の再演について宅間は「実は今回は僕がこれまでやってきたものとはガラッと変わりまして、新しい主人公、若い人たちが中心となって、大きなマイナーチェンジと言いますか。もちろん、物語自体は基本的には変わってないんですけれど、ニュージェネレーションによる『夕 -ゆう-』をご覧いただけると思っております」と自信を見せた。 主演の矢島は「タクフェスの中でも人気の作品。『夕 -ゆう-』のファンの方がたくさんいらっしゃると思うんですけども過去の作品を超えられるように、この座組で頑張っていければと思います」と語り、古屋は「僕が演じる元弥という役は10年前は宅間さんが演じていらっしゃった役なので大きなプレッシャーと戦っていまけど、やっぱり宅間さん越えをしないといけないという……強敵すぎますが、宅間さんをぶっ倒したいと思います!」。そんなふたりのコメントに宅間は「本人が言いましたよ」とニヤリ。 タクフェス初参加について松本は「すごく光栄で嬉しい」と言い、「その気持ちを最大限に表現して、全員で稽古から千秋楽まで結構な長丁場ですが、健康第一と安全第一で、仲良く、全てを信じきって、そして宅間さんを信じて、全身全霊で挑みたいと思います!」と明るく言った。 同じく「タクフェス」は初参加の中村は『夕 -ゆう-』出演にあたり、周りから連絡をもらったそうで、「『出るんだね!』と言われるたびに、そんな素敵な作品に出られるんだ、という喜びと同時にプレッシャーも感じています」。しかし、稽古でのワクワク感も覗かせた。「宅間さんが1行ごとに細かく、丁寧に演出をつけてくださっているので、キャストのみなさんも前向きに、より良い作品にしようと一生懸命取り組んでいます。過去の映像も参考にしながら、でもどうすればオリジナリティを出せるか、まだまだ絶賛模索中ですけど、今回キャストのみなさんとステキな『夕 -ゆう』を作っていきたいな、お届けしたいな、という意気込みで頑張っています」と稽古場の熱を伝えた。 そして「タクフェス」には2回目の出演となる三戸。「いろんな地方のお客さんに見てもらえるのが嬉しい」と笑顔を見せ、「私自身は夕と薫の親友・信子を演じるんですけど、個性的な役なので、お客さんにちょっとでも笑ってもらえるようにがんばりたいな、と思います」と言い、最後は「ごはんいっぱい食べてがんばります!」と和ませた。 公演は11月1日(金) にサンシャイン劇場にて初日を迎える。 取材・文:ふくだりょうこ 撮影:源賀津己 <東京公演> タクフェス第12弾『夕 -ゆう-』 公演期間:2024年11月1日(金)~11月10日(日) 会場:サンシャイン劇場